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短答判例

公序良俗違反の主張と弁論主義 最一小判昭和36年4月27日

概要
当事者が、契約が民法90条により無効であること自体を主張していなくても、公序良俗違反を基礎付ける具体的事実を主張している場合には、裁判所は、その契約が公序良俗に反し無効であると判断することができる。
判例
事案:原告は、不動産を買い受けたものの未登記であったところ、被告がその事情を知りながら、売主と共謀して当該不動産を取得したなどと主張したが、被告らの売買契約が民法90条により無効であること自体は明示的に主張していなかった。そこで、裁判所が、原告の主張した具体的事実に基づき、当該売買契約が公序良俗に反し無効であると判断することができるかが問題となった。

判旨:「裁判所は当事者が特に民法90条による無効の主張をしなくとも同条違反に該当する事実の陳述さえあれば、その有効無効の判断をなしうるものと解するを相当とする。そして、原告(被控訴人、被上告人)は、1審以来大久保貞良と被告長野は共謀の上本件不動産を横領して刑事訴追をうけその他原判示のごとき仮処分に関する不法行為をした旨の主張をしていることが明らかであるから、原審が判示事実認定の下にこれを公の秩序、善良の風俗に反し無効であると判断したからといつて、所論の違法あるということはできない。」
過去問・解説

(R8 予備 第36問 ウ)
Xは、甲土地につき、Aから買い受けたと主張して、登記名義人であるYに対し、所有権に基づき所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、これに対し、Yは、AX間の売買契約が公序良俗に反し無効であるとの主張をしていなかったが、それを基礎付ける事実を主張していた。この場合において、裁判所が、公序良俗違反を基礎付ける事実を認定した上で、AX間の売買契約が公序良俗に反し無効であると判断して、Xの請求を棄却する判決をすることは、弁論主義に反する。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭36.4.27)は、「裁判所は当事者が特に民法90条による無効の主張をしなくとも同条違反に該当する事実の陳述さえあれば、その有効無効の判断をなしうるものと解するを相当とする。」としている。
本肢において、Yは、AX間の売買契約が公序良俗に反し無効であるとの主張はしていないものの、公序良俗違反を基礎付ける事実を主張している。
したがって、裁判所が、公序良俗違反を基礎付ける事実を認定した上で、AX間の売買契約が公序良俗に反し無効であると判断して、Xの請求を棄却する判決をすることは、弁論主義に反しない。

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