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委任 - 解答モード
第643条
条文
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
過去問・解説
(H21 司法 第24問 イ)
委任契約は、諾成契約であるから、口頭の合意があれば成立する。しかし、委任契約の成立を第三者に主張するためには、書面によらなければならない。
第644条
条文
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
過去問・解説
(H30 司法 第26問 ア)
無償委任の受任者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、委任事務を処理しなければならない。
第644条の2
条文
① 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
② 代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う。
過去問・解説
(H30 司法 第26問 イ)
受任者は、いつでも、第三者に委任事務の処理を委託することができる。
第645条
条文
受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
第646条
条文
① 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。
② 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。
第647条
条文
受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
第648条
条文
① 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
② 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定を準用する。
③ 受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。
二 委任が履行の中途で終了したとき。
過去問・解説
(H20 司法 第26問 3)
委任契約は無償契約を原則とするが、特約があれば、受任者は委任者に対して報酬を請求することができる。
(H22 司法 第26問 ア)
委任者と受任者との間で報酬を支払う旨の合意がされた場合であっても、委任事務の履行の中途において、受任者が委任契約を解除したときは、受任者は、報酬の支払を請求することができない。
(H25 共通 第26問 エ)
報酬を支払う旨の特約がある場合において、委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
(H25 司法 第29問 エ)
準委任契約の受任者は、委託事務を履行する前に報酬を請求することができる旨の特約がある場合であっても、委任事務を履行しない限り、委任者に報酬を請求することができない。
(H28 共通 第26問 オ)
受任者は、特約がなくとも、委任者に対して報酬を請求することができる。
(R1 司法 第22問 ア)
有償の委任契約における委任者の報酬支払義務と受任者の事務処理義務とは、同時履行の関係にある。
第648条の2
条文
① 委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。
② 第634条の規定は、委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合について準用する。
第649条
条文
委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。
過去問・解説
(H25 司法 第29問 ウ)
委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。
第650条
条文
① 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
② 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
③ 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
過去問・解説
(H22 司法 第17問 4)
受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。
(H22 司法 第26問 イ)
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
(H23 司法 第11問 ウ)
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、委任が終了した日以後に、その費用の償還を請求することができる。
(H25 共通 第26問 オ)
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。
(H30 司法 第26問 ウ)
受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
第651条
条文
① 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
② 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
過去問・解説
(H19 司法 第26問 ア)
受任者の利益のためにもなされた委任において、委任者は、やむを得ない事由がなくても、委任を解除することができる。
(H21 司法 第26問 イ)
委任契約が受任者の利益のためにも締結された場合において、委任者は、やむを得ない事由があるときでも、契約を解除することができる。
(H25 共通 第26問 ア)
委任は、受任者からは、やむを得ない事由がなければ解除することができない。
(H30 司法 第26問 オ)
受任者は、やむを得ない事由がなければ、委任契約を解除することができない。
(R2 司法 第26問 ア)
委任を解除した者は、その解除の時期にかかわらず、相手方に対する損害賠償責任を負わない。
(R4 共通 第23問 エ)
期間の定めのある有償の委任契約の受任者は、期間の満了前に契約を解除することができる。
(R4 司法 第27問 ウ)
委任者は、受任者に不利な時期には、委任を解除することができない。
第653条
条文
委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。
過去問・解説
(H19 司法 第26問 イ)
委任は、受任者が破産手続開始の決定を受けたことによって終了するが、委任者が同決定を受けたことによっては終了しない。
(H19 司法 第26問 ウ)
委任は、受任者が後見開始の審判を受けたことによって終了する。
(H28 共通 第26問 エ)
委任契約は、受任者の死亡によって終了するが、委任者の死亡によっては終了しない。
第654条
条文
委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。
第655条
条文
委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。
過去問・解説
(H19 司法 第26問 オ)
委任の終了事由は、相手方に通知しなければ、相手方がその事由を知っているか否かを問わず、これをもってその相手方に対抗することができない。
(H25 共通 第26問 ウ)
委任者が死亡した場合でも、委任者の相続人がこれを受任者に通知せず、かつ、受任者が委任者の死亡を知らなかったときは、委任者の相続人は、委任者の死亡による委任の終了を受任者に対抗することができない。
(R2 司法 第26問 オ)
委任者が破産手続開始の決定を受けたことによって委任が終了した場合には、委任者は、破産手続開始の決定を受けたことを受任者に通知したとき、又は受任者が破産手続開始決定の事実を知っていたときでなければ、受任者に対し、委任の終了を主張することができない。
第656条
条文
この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。