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罪数関係(牽連犯) - 解答モード

キャッシュカードの窃取と使用 東京高判昭和55年3月3日

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概要
他人のキャッシュカードを窃取することと、窃取したキャッシュカードを用いて銀行の現金自動預払機から預金を引き出す行為は別個の法益を侵害しそれぞれの行為に窃盗罪が成立し、両者は併合罪の関係になる。
判例
事案:他人のキャッシュカードを窃取した後、窃取したキャッシュカードを用いて銀行の現金自動預払機から預金を引き出した事案において、預金引き出し行為に新たに窃盗罪が成立するかが問題となった。

判旨:「被告人は、…各預金払戻用キャッシュカード(以下、『カード』という)を窃取した後、その被害者らが友人でカードの暗証番号を知っていたことから、ひそかに、…管理者の意に反して、原判示のとおりB銀行α支店設置の自動支払機カード入口に右窃取したカードをそれぞれ差し込み、同支払機の各暗証番号を押して現金を出させ、これを自己の支配下においたものであることが認められるから、被告人の欺罔により被害者の誤信による現金の交付があったものではなく、被告人が、カードを利用して、同支払機の管理者の意思に反し、同人不知の間に、その支配を排除して、同支払機の現金を自己の支配下に移したものであって、このように窃盗犯人が賍物たるカードを用いて第三者たる右管理者の管理する現金を窃取した場合には、賍物についての事実上の処分行為をしたにとどまる場合と異なり、…管理者に対する関係において、新たな法益侵害を伴うものであるから、カードの窃盗罪のほかに、カード利用による現金の窃盗罪が別個に成立するものというべきであり、右管理者の所属する銀行がカードの預金者に対し所論の免責を受けることがあるにしても、右認定を妨げるものではない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(H24 予備 第8問 ウ)
他人のキャッシュカードを盗み、これを使って銀行の現金自動預払機から預金を引き出した。これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
裁判例(東京高判昭55.3.3)は、本肢と同種の事案において、「カードの窃盗罪のほかに、カード利用による現金の窃盗罪が別個に成立するものというべき…。」としている。
他人のキャッシュカードを盗み、これを使って銀行の現金自動預払機から預金を引き出した行為にそれぞれ窃盗罪が成立し、両者は併合罪となる。

該当する過去問がありません

預金通帳の窃取と使用 最二小判昭和25年2月24日

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概要
窃取又は騙取した郵便貯金通帳を利用して、郵便局係員を欺罔し、真実名義人において貯金の払戻請求するものと誤信させて、貯金の払戻名義の下に金員を騙取したときは、通帳の窃盗罪のほかに金員の詐欺罪が成立する。窃取した預金通帳を用いて預金を引き出した場合、先行する預金通帳の窃取と預金の引き出し行為とは併合罪の関係にある。
判例
事案:預金通帳を盗んだ後、盗んだ預金通帳を用いて預金を引き出した事案において、罪数関係が問題となった。

判旨:「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできないのである。然らば原審が所論郵便貯金通帳を利用して預金を引出した行為に対し詐欺罪をもって問擬したことは正当であるから論旨は理由がない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H20 司法 第17問 5)
甲は、乙から同人名義のクレジットカードを窃取し、Aデパートにおいて、店員に対し、乙に成り済まして同クレジットカードを呈示して商品の購入方を申し込んだが、同店員に盗難カードであることを見破られたため、商品を手に入れることができなかった。甲には、窃盗罪及び詐欺未遂罪が成立し、両罪は牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、本肢と同種の事案において、「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできない…。」としている。
甲は、乙から同人名義のクレジットカードを窃取しているから、窃盗罪が成立し、それを用いてAデパート店員に対して商品の購入を申し込んでいるから、詐欺未遂罪が成立する。
したがって、甲には、窃盗罪及び詐欺未遂罪が成立し、両罪は併合罪となる。


全体の正答率 : 100%

(H28 司法 第7問 5)
甲は、AがB銀行に預け入れていた預金を不正に払い戻して金銭を得る目的で、Aから、B銀行が発行したA名義の預金通帳を窃取した上、B銀行の窓口において、行員に対し、Aに成り済まして、同預金通帳を使って預金を不正に払い戻して金銭を得た。甲には、窃盗罪と詐欺罪が成立し、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、本肢と同種の事案において、「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできない…。」としている。
甲は、Aから、B銀行が発行したA名義の預金通帳を窃取しているから、窃盗罪が成立し、それを用いてAに成り済まして、同預金通帳を使って預金を不正に払い戻して金銭を得ているから、詐欺罪が成立する。
したがって、甲には、窃盗罪と詐欺罪が成立し、これらは併合罪となる。


全体の正答率 : 100%

(R3 司法 第7問 ウ)
甲は、A名義の預金口座から現金を引き出す目的で、AからA名義のキャッシュカードをだまし取るとともに、暗証番号を聞き出し、銀行の現金自動預払機で同キャッシュカードを使用して現金を引き出した。この場合、甲には、詐欺罪及び窃盗罪が成立し、これらは牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、本肢と同種の事案において、「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできない…。」としている。
甲は、AからA名義のキャッシュカードをだまし取っているから、詐欺罪が成立し、銀行の現金自動預払機で同キャッシュカードを使用して現金を引き出しているから、窃盗罪が成立する。
したがって、甲には、詐欺罪及び窃盗罪が成立し、これらは併合罪となる。


全体の正答率 : 100%

(R4 共通 第17問 4)
甲は、A銀行が発行したB名義のキャッシュカード1枚をBから窃取した上、これを利用してA銀行の現金自動預払機から預金を不正に払い戻した。甲には、2個の窃盗罪が成立し、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.2.24)は、本肢と同種の事案において、「贓物を処分することは財産罪に伴う事後処分に過ぎないから別罪を構成しないことは勿論であるが窃取または騙取した郵便貯金通帳を利用して郵便局係員を欺罔し真実名義人において貯金の払戻を請求するものと誤信せしめて貯金の払戻名義の下に金員を騙取することは更に新法益を侵害する行為であるからここに亦犯罪の成立を認むべきであってこれをもって贓物の単なる事後処分と同視することはできない…。」としている。
甲は、B名義のキャッシュカード1枚をBから窃取しているから、窃盗罪が成立し、これを利用してA銀行の現金自動預払機から預金を不正に払い戻しているから重ねて窃盗罪が成立する。
したがって、甲には、2個の窃盗罪が成立し、これらは併合罪となる。

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有印私文書偽造罪・同行使罪と詐欺罪 大判明治42年1月22日

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概要
詐欺をなすために公正証書を偽造行使した場合においては当該証書作成の委任状は公正証書の成立と分離すべきでない密接の関係を有し詐欺罪の実行手段の行為にほかならない。したがって、裁判所が右委任状偽造の行為に対し54条1項を適用したことは相当である。
判例
事案:他人名義の預金口座開設目的で他人になりすまし、その他人名義で口座開設申込書を作成し、銀行の係員に提出し預金通帳の交付を受けた事案において、有印私文書偽造罪・同行使罪と詐欺罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「詐欺取財ヲ為スニ因リ公正証書ヲ偽造行使シタル場合ニ於テハ該証書作成ノ委任状ハ公正証書ノ成立ト分離スヘカラサル密接ノ関係ヲ有シ二者相待テ詐欺取財罪ノ実行手段タルヘキ行為ニ外ナラス故ニ裁判所カ右委任状偽造ノ行為ニ対シ刑法第54条第1項ヲ適用シタルハ相当ナリ」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(R2 共通 第15問 5)
甲は、乙名義で預金口座を開設する目的で、同人に成り済まし、同人名義で口座開設申込書を作成し、これを銀行の係員に提出して、乙名義の預金通帳の交付を受けた。この場合、甲には、有印私文書偽造罪、同行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭42.8.28)は、「詐欺取財ヲ為スニ因リ公正証書ヲ偽造行使シタル場合ニ於テハ該証書作成ノ委任状ハ公正証書ノ成立ト分離スヘカラサル密接ノ関係ヲ有シ二者相待テ詐欺取財罪ノ実行手段タルヘキ行為ニ外ナラス故ニ裁判所カ右委任状偽造ノ行為ニ対シ刑法第54条第1項ヲ適用シタルハ相当ナリ」として、有印私文書偽造行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
有印私文書偽造と同行使罪も牽連犯であるから、甲には、有印私文書偽造罪、同行使罪及び詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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偽造公文書行使罪と詐欺罪 大判明治44年11月10日

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概要
偽造または、嘘の事項を記載した文章等を行使して物をだまし取った場合においてはその行使の行為は欺罔行為の手段であり、偽造公文書行使罪と詐欺罪は牽連犯となる。
判例
事案:虚偽の記載のある公文書を用いて詐欺罪を犯した事案において、罪数関係が問題となった。

判旨:「偽造又ハ虚偽ノ事項ヲ記載シタル文書等ヲ行使シテ物ヲ騙取シタル場合ニ於テハ其行使ノ行為ハ詐欺罪構成ノ要件タル欺罔ノ手段タルニ過キスシテ欺罔其モノニ非サルヲ以テ直ニ詐欺罪ノ構成要件ト為ルモノニ非ス」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H22 司法 第16問 5)
甲は、郵便局の窓口で、偽造された郵便貯金払戻請求書1通を、不正に入手した他人名義の貯金通帳とともに郵便局員乙に提出して貯金の払戻しを請求し、これを正当な払戻請求と誤信した乙から貯金の払戻しを受けた。甲には、詐欺罪の一罪のみが成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.11.10)は、「偽造又ハ虚偽ノ事項ヲ記載シタル文書等ヲ行使シテ物ヲ騙取シタル場合ニ於テハ其行使ノ行為ハ詐欺罪構成ノ要件タル欺罔ノ手段タルニ過キスシテ欺罔其モノニ非サルヲ以テ直ニ詐欺罪ノ構成要件ト為ルモノニ非ス」として、偽造した文書を用いて詐欺行為に及んだ場合、両罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、郵便局の窓口で、偽造された郵便貯金払戻請求書を提出しているから偽造公文書行使罪が成立し、貯金の払戻しを請求し、これを正当な払戻請求と誤信した乙から貯金の払戻しを受け詐欺罪も成立する。
したがって、甲には偽造公文書行使罪と詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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偽造有印私文書行使罪と詐欺罪 東京高判平成7年3月14日

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概要
被告人らが、ノンバンクから協力預金の資金名目で融資金を騙取し、右預金にノンバンクのために質権を設定するとしながら、これを行わずに質権設定承諾書を偽造して行使した行為は質権設定承諾書の交付が、融資金の入金(騙取)につき必要不可欠なものとして、これと同時的、一体的に行われることが予想されていたときは、両者の先後関係は必ずしも重要とは思われないため、偽造有印私文書行使罪と詐欺罪は包括一罪として処断するのが相当である。
判例
事案:融資金の詐欺のために書類を偽造し、その書類を用いて融資をだまし取った事案において、偽造有印私文書行使罪と詐欺罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「一般的には有印私文書偽造、同行使、詐欺との間には順次手段結果の牽連関係があると認められるが、本件の事実関係においては、欺罔されたVの担当者から秋葉原支店のA名義の普通預金口座に約50億円が振込送金され、Bが同普通預金口座から50億円をA名義の通知預金に振り替えた後に同人において秋葉原支店長名義の質権設定承諾書を偽造してこれをVの担当者であるWに交付して行使しており、詐欺が既遂に達してから偽造質権設定承諾書を行使していることが認められるから、偽造有印私文書行使が詐欺の手段となっているとはいい難く、両者を牽連犯とするのは相当でない。ところで、一般に銀行預金を担保として第三者から融資を受ける場合には、当該第三者に質権設定承諾書を交付し、その後融資金の交付を受けるのが通常予想される形態と考えられる。ところが、本件においては、融資金が銀行預金の原資となっている関係で、まず融資金が入金されて預金に当てられてこれに関する質権設定承諾書が作成され、それが融資先に交付されているのである。しかし、元々(偽造)質権設定承諾書の交付は、融資金の入金(騙取)につき必要不可欠なものとして、これと同時的、一体的に行われることが予想されているのであって、両者の先後関係は必ずしも重要とは思われないところである。事実、本件と同様の不正融資事件において、事務処理の都合等から融資金の入金前に預金通帳等を作成して質権設定承諾書を偽造し、これを交付するのと引き換えに不正融資金が振込入金された事例もあることは当裁判所に顕著な事実であり、かつその場合には、当然のことながら、有印私文書偽造、同行使、詐欺とは順次手段結果の関係にあり結局一罪であるとして処断されているのである。そして、右の場合と偶々その担当者の事務処理の都合等から偽造質権設定承諾書の交付と振込入金との時間的先後が逆になった本件のような場合とで罪数処理に関する取扱いを異にすべき合理的な理由を見い出し難いことからすると、偽造有印私文書行使罪と詐欺罪との法益面での関連性が必ずしも強くないことを考慮に入れても、両者は包括一罪として処断するのが相当と解される。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(H23 司法 第6問 4)
甲は、真実は、自己の経営する会社の運転資金に使う目的で、質権を設定するつもりもないのに、乙に対して、「2000万円をA銀行の甲名義預金口座に振り込んでほしい。振り込まれた2000万円については、見せ金として使用するので、口座から引き出さないし、振込み後、質権も設定する。」などと嘘を言い、これを信じた乙は、A銀行の甲名義預金口座に2000万円を振り込んだ。その数日後、甲は、同預金に関するA銀行名義の質権設定承諾書1通を偽造し、乙に交付した。この場合、甲には詐欺罪、有印私文書偽造及び同行使罪が成立し、これらは牽連犯として一罪となる。

(正答)

(解説)
裁判例(東京高判平7.3.14)は、本肢と同種の事案において、「偽造有印私文書行使罪と詐欺罪との法益面での関連性が必ずしも強くないことを考慮に入れても、両者は包括一罪として処断するのが相当と解される。」としている。
甲は、振り込み後に偽造の質権設定承諾書を交付しているから、詐欺罪のみが成立し、包括一罪となる。

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公正証書原本不実記載罪・同行使罪と詐欺罪 最二小決昭和42年8月28日

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概要
甲から金員を騙取するため、乙名義の偽造の委任状等を登記官吏に提出し、乙の不動産の登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使するとともに、甲にその登記済権利証を示して、抵当権設定登記を経由した旨誤信させ、同人から借用金名下に金員を騙取したときは、公正証書原本不実記載罪とその行使と詐欺罪との牽連犯となる。
判例
事案:金員を騙取するため、登記官に虚偽の登記をさせ、その登記を用いて金員をだまし取った事案において、公正証書原本不実記載罪と同行使罪、詐欺罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「被告人は、Aから金員を騙取するために、抵当権設定登記申請手続を委任する旨のB名義の委任状を偽造し、これを関係書類とともに登記官吏に提出して行使し、登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使させるとともに、右Aに対し、抵当権設定登記を経由した事実を証明する登記済権利証を示して、同人をその旨誤信させ、よって同人から、借用金名下に現金70万円を騙取したというのであって、右公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められるから、右数罪は、刑法54条1項後段のいわゆる牽連犯に当るものといわなければならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H27 司法 第4問 3)
偽造公文書を相手方に示して錯誤に陥れ、相手方から現金の交付を受けた場合、偽造公文書行使罪は詐欺罪に吸収され、詐欺罪のみが成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、本肢の事例では、偽造公文書行使罪と詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。


全体の正答率 : 0%

(R3 司法 第7問 ア)
甲は、情を知らない法務局の担当登記官Aに対し、虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後、当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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住居侵入罪と窃盗罪 大判大正6年6月26日

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概要
他人の印章を窃取するのと窃取した印章を不正に使用するのとは他人の財産権を害し他は公の信用を害する行為にして全然行為の性質及び侵害せられたる法益を異にするから各独立して別個の犯罪を構成するものとする。
判例
事案:窃取した印鑑を不正に使用し、住居に侵入し窃盗をしたという事案において、窃盗罪と住居侵入罪との罪数関係が問題となった。

判旨:「他人ノ印章ヲ窃取スルト其窃取シタル印章ヲ不正ニ使用スルトハ一ハ他人ノ財産権ヲ害シ他ハ公ノ信用ヲ害スル行為ニシテ全然行為ノ性質及ヒ侵害セラレタル法益ヲ異ニスルヲ以テ各独立シテ別箇ノ犯罪ヲ構成スルモノトス
 家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H24 司法 第5問 ①)
教授:犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者を殺害した場合の住居侵入罪と殺人罪の罪数関係や、犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者のお金を盗んだ場合の住居侵入罪と窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生A:(ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)です。

(正答)イ

(解説)
判例(大判大6.2.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示しており、別の判例(大判明43.6.17)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示している。


全体の正答率 : 100%

(R3 司法 第7問 エ)
甲は、強制性交の目的でA宅に侵入したが、Aが不在であったため目的を遂げられなかった。その後、甲は、居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し、窃取しようと考えてこれを持ち去った。この場合、甲には、住居侵入罪及び窃盗罪が成立するが、これらは併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(大判大6.2.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示している。
これは、犯人が当初より手段とする意思があるか否かにより左右されるものではない。
甲は、強制性交の目的でA宅に侵入したが、当初目的を遂げず居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し、窃取しようと考えてこれを持ち去っているから、住居侵入罪及び窃盗罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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住居侵入罪と殺人罪 大判明治43年6月17日

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概要
被告が殺人するために家宅する侵入の行為は殺人罪の構成要素をなすものではないから殺人罪のほかに家宅侵入罪をも構成し、54条を適用し右家宅侵入の所為は右殺人行為の手段である。
判例
事案:被告が殺人するために家宅する侵入し、同住居内で住居人を殺害した事案において、住居侵入罪と殺人罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H20 司法 第17問 3)
甲は、乙を殺害する目的で乙の住居に侵入し、同住居内で乙を殺害した。甲には、住居侵入罪及び殺人罪が成立し、両罪は併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示している。
また、判例(大判明43.6.17)は、被告が殺人するために家宅する侵入し、同住居内で住居人を殺害した事案で、54条を適用するとの旨判示している。本肢では、住居侵入罪並びに乙に対する殺人罪が成立し住居侵入罪と殺人罪の牽連犯となる。


(H24 司法 第5問 ①)
教授:犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者を殺害した場合の住居侵入罪と殺人罪の罪数関係や、犯人が被害者の住居に侵入した上で被害者のお金を盗んだ場合の住居侵入罪と窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生A:(ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)です。

(正答)イ

(解説)
判例(大判明43.6.17)は、「甲者カ乙者ヲ殺害セント企テ丙者ノ住宅ニ侵入シテ其目的ヲ遂ケタルトキハ右ノ家宅侵入ノ所為ハ殺人行為ノ手段ナルカ故ニ刑法第54条ヲ適用シテ之ヲ処分スヘキモノトス」として、住居侵入罪と殺人罪が牽連犯の関係にあることを示しており、別の判例(大判大6.6.26)は、「家宅侵入ノ行為ハ盗罪ノ要素ニ属セス単ニ盗罪遂行ノ手段ニ外ナラサレハ盗罪ノ既遂タルト未遂タルトヲ問ハス別ニ家宅侵入罪ヲ構成スルコト論ヲ竢タス」として、住居侵入罪と窃盗罪が牽連犯の関係にあることを示している。

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1個の住居侵入行為と3個の殺人行為 最決昭和29年5月27日

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概要
1個の住居侵入行為と3個の殺人行為とがそれぞれ牽連犯の関係にある場合の罪数関係では、54条1項後段、10条を適用し1罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべきである。
判例
事案:住居侵入したうえで当該住居で3人を殺害した事案において、住居侵入罪と殺人罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(H21 司法 第20問 ウ)
【事例】
Ⅲ.甲は、乙から金品を強取しようと企て、無施錠の玄関から同人方に立ち入り、同人所有の現金1万円を窃取し、その直後に帰宅した乙に対し暴行を加えてその反抗を抑圧した上、同人から現金3万円を強取した。Ⅲでは、甲を懲役23年に処することができる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
まず、甲には、乙から金品を強取しようと企てて乙宅に侵入したことで住居侵入罪が成立する。
そして、甲は乙宅において現金1万円を窃取したことで窃盗罪が、乙に対し暴行を加えてその反抗を抑圧した上、現金3万円を強取したことで強盗罪が、それぞれ成立し、これらは住居侵入罪と目的・手段の関係にあるとして、牽連犯となる。
したがって、甲は、最も重い強盗罪の有期懲役である長期20年以下によって処断すべきことになる。
よって、甲を懲役23年に処することはできない。


全体の正答率 : 100%

(H23 司法 第6問 2)
甲は、乙を殺害する目的で乙方に侵入し、屋内にいた乙を殺害した上、たまたま屋内に居合わせた丙及び丁も殺害した。この場合、甲には、住居侵入罪並びに乙、丙及び丁に対する殺人罪が成立し、住居侵入罪と乙に対する殺人罪が牽連犯として一罪となり、丙及び丁に対する殺人罪と併合罪になる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
まず、甲は、乙を殺害する目的で乙方に侵入したことで住居侵入罪が成立する。
そして、甲は乙宅において乙及び丙を殺害したことで2個の殺人罪が成立し、これらは全体として住居侵入罪と目的・手段の関係にあるとして、牽連犯となる。


(H24 司法 第5問 ①、②)
教授:それでは、犯人が被害者の住居に侵入した上で、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立って、現実にお金を盗んだ場合の住居侵入罪、殺人罪、窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生B:住居侵入罪と殺人罪が(①ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)、住居侵入罪と窃盗罪が(①ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)となり、全体として(②ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)になります。

(正答)①イ ②エ

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
犯人は、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立って住居に侵入しており、実際に当該計画通りに犯罪を遂行している。
したがって、住居侵入罪と殺人罪が目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、住居侵入罪と窃盗罪も目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、全体として科刑上一罪となる。


全体の正答率 : 0%

(H24 司法 第5問 ④)
教授:住居侵入罪の法定刑の上限は懲役3年、窃盗罪の法定刑の上限は懲役10年、殺人罪で有期懲役刑を選択した場合の法定刑の上限は懲役20年だけど、判例の立場によれば、前科のない犯人が被害者の住居に侵入した上で、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立ち、お金を盗んだ事案における処断刑の上限は、それぞれの罪について有期懲役刑を選択した場合にはどうなるだろう。
学生B:(カ.懲役20年キ.懲役25年ク.懲役30年ケ.懲役40年)です。

(正答)カ

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
前科のない犯人が被害者の住居に侵入したことで住居侵入罪が成立し、そこで被害者を殺害したことで殺人罪が成立し、その後被害者のお金を盗もうと思い立ってお金を盗んだことで窃盗罪が成立する。
そして、住居侵入罪と殺人罪が目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、住居侵入罪と窃盗罪も目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、全体として科刑上一罪となる。
したがって、処断刑の上限は、最も重い刑である殺人罪の有期懲役20年となる。


全体の正答率 : 100%

(H26 司法 第11問 3)
甲は、乙を殺害する目的で乙が居住する家に侵入し、乙及び偶然その場に居合わせた丙をそれぞれ殺害した。甲には、乙に対する住居侵入罪及び殺人罪が成立し、これらは牽連犯となり、これと丙に対する殺人罪が併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、乙を殺害する目的で乙宅に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、乙宅において乙及び丙を殺害しているため2個の殺人罪が成立する。
そして、これらは目的・手段の関係にあるから、それぞれ牽連犯となる。


全体の正答率 : 100%

(H27 共通 第17問 4)
甲は、離婚した元妻Xを殺害する目的で、深夜、Xの母親Y宅に侵入し、その場にいたX、Y及びYの子Zを順次殺害した。甲には1個の住居侵入罪と3個の殺人罪が成立するが、住居侵入罪と各殺人罪は牽連犯となり、全体が科刑上一罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、Xを殺害する目的でY宅に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、Y宅においてX、Y、及びZを殺害しているため3個の殺人罪が成立する。
したがって、甲には1個の住居侵入罪と3個の殺人罪が成立し、住居侵入罪と各殺人罪は牽連犯となり、全体が科刑上一罪となる。


全体の正答率 : 0%

(R2 共通 第15問 2)
甲は、強盗目的で、乙方に侵入した上、乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し、その際、両名に怪我を負わせ、乙が管理していた現金100万円を強取した。この場合、甲には、住居侵入罪及び1個の強盗致傷罪が成立し、これらは牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、強盗目的で、乙方に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、乙方において、乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し、その際、両名に怪我を負わせ、乙が管理していた現金100万円を強取しており、乙と丙双方の法益を侵害しているから2個の強盗致傷罪が成立する。
したがって、甲には、住居侵入罪及び2個の強盗致傷罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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道路交通取締法違反の罪と業務上過失致死罪 最二小判昭和33年3月17日

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概要
本件における道路交通取締法違反(無謀操縦)の罪と業務上過失致死罪とは別個独立の犯罪であって、右両者の間には牽連関係ないし観念的競合の関係を認めるべきものではない。
判例
事案:いわゆる無謀な運転をした上、過失により人を事故死させた事案において、道交法違反の罪と業務上過失致死罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「無謀操縦と業務上過失致死の各事実は、公訴事実としては別個の事実であって、所論の如く公訴事実の同一性を認むべきものではなく、また、右両者は、独立別個の犯罪を構成し、右両者の間に牽連関係乃至一所為数法の関係を認むべきものではない。」
過去問・解説

(H18 司法 第12問 イ)
甲は、無免許で普通乗用自動車を運転中、前方不注視の過失により歩行者乙に傷害を負わせる事故を起こした。甲には、道路交通法の無免許運転の罪と業務上過失傷害罪が成立し、(c.両罪は併合罪である・d.両罪は観念的競合である)。

(正答)c

(解説)
判例(最判昭33.3.17)は、本肢と同種の事案において、「無謀操縦と業務上過失致死の各事実は、公訴事実としては別個の事実であって、所論の如く公訴事実の同一性を認むべきものではなく、また、右両者は、独立別個の犯罪を構成し、右両者の間に牽連関係乃至一所為数法の関係を認むべきものではない。」としている。
したがって、甲には、道路交通法の無免許運転の罪と業務上過失傷害罪が成立し、両罪は併合罪となる。

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身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪 最決昭和58年9月27日

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概要
身代金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間に身代金を要求した場合には、身代金目的拐取罪と身代金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にある。
判例
事案:身代金目的で誘拐した者が、誘拐された人を監禁し、身代金を要求した事案において、身代金目的拐取罪、身代金要求罪と監禁罪との罪数関係が問題となった。

判旨:「みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間にみのしろ金を要求した場合には、みのしろ金目的拐取罪とみのしろ金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にあると解するのが相当であり、これと同旨の原判断は、正当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H25 司法 第2問 2)
甲は、身の代金取得の目的で7歳の子供Aを拐取し、さらに、Aの手足をロープで縛って逃げることができないようにして自室に閉じ込め、その間にAの親に電話をかけて身の代金を要求した。甲に監禁罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.9.27)は、本肢と同種の事案において、「みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間にみのしろ金を要求した場合には、みのしろ金目的拐取罪とみのしろ金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にある…。」としている。
甲には身の代金目的拐取罪、拐取者身の代金要求罪及び監禁罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪は牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。
したがって、甲に監禁罪が成立する。


全体の正答率 : 0%

(H27 共通 第17問 5)
甲は、身の代金を得る目的でXを拐取し、更にXを監禁し、その間にXの近親者に対して身の代金を要求した。甲には身の代金目的拐取罪、拐取者身の代金要求罪及び監禁罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪は牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.9.27)は、本肢と同種の事案において、「みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間にみのしろ金を要求した場合には、みのしろ金目的拐取罪とみのしろ金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にある…。」としている。
したがって、甲には、身の代金目的拐取罪、拐取者身の代金要求罪及び監禁罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪は牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。


全体の正答率 : 100%

(R3 司法 第7問 オ)
甲は、身の代金を得る目的でAを拐取した後、甲の自宅に監禁し、その間にAの実父Bに対し、電話で身の代金を要求した。この場合、甲には、身の代金目的拐取罪、監禁罪及び拐取者身の代金要求罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪が牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.9.27)は、本肢と同種の事案において、「みのしろ金取得の目的で人を拐取した者が、更に被拐取者を監禁し、その間にみのしろ金を要求した場合には、みのしろ金目的拐取罪とみのしろ金要求罪とは牽連犯の関係に、以上の各罪と監禁罪とは併合罪の関係にある…。」としている。
したがって、甲には、身の代金目的拐取罪、監禁罪及び拐取者身の代金要求罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪が牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。

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公務執行妨害罪と傷害罪 大判明治42年7月1日

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概要
公務執行妨害に当たる暴行によって当該公務員に傷害を負わせた場合、公務執行妨害罪と傷害罪が成立し、両者は牽連犯の関係に立つ。
判例
事案:公務執行妨害に当たる暴行によって当該公務員に傷害を負わせた場合における公務執行妨害罪と傷害罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「警察吏カ職務ヲ執行スルニ當リ被告ハ之ニ對シテ暴行ヲ加ヘ傷害シタルモノナレハ被告ノ行爲ハ一箇ノ行爲ニシテ數箇ノ罪名ニ觸ルルモノナル」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H19 司法 第14問 ウ)
甲は、制服の警察官乙から職務質問を受けたが、質問されたことを不愉快に感じ、乙の顔面を手拳で殴打して傷害を負わせた。
a.公務執行妨害罪と傷害罪が成立し、両罪は牽連犯になる。
b.公務執行妨害罪と傷害罪が成立し、両罪は観念的競合になる。
c.公務執行妨害罪と傷害罪が成立し、両罪は併合罪になる。

(正答)b

(解説)
判例(大判明42.7.1)は、「警察吏カ職務ヲ執行スルニ當リ被告ハ之ニ對シテ暴行ヲ加ヘ傷害シタルモノナレハ被告ノ行爲ハ一箇ノ行爲ニシテ數箇ノ罪名ニ觸ルルモノナル」として、公務執行妨害と傷害罪は観念的競合の関係にあることを示している。
したがって、甲には、公務執行妨害罪と傷害罪が成立し、両罪は、甲の顔面を手拳で殴打するという1個の行為により生じたものであるとして、観念的競合になる。

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