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盗品等に関する罪 - 解答モード

窃盗の時効と盗品等関与罪 大判明治42年4月15日

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概要
盗品等関与罪は賍物であることを知ってこれを買い受けることにより成立する。したがって、窃盗犯人に対する公訴及び民事訴訟が時効により消滅してるか否かは犯罪の成否に影響しない。
判例
事案:窃盗の時効が経過した犯人から盗品を買い受けたという事案において、盗品等関与罪の成否が問題となった。

判旨:「賍物故買罪ハ苟クモ賍物タルノ情ヲ知リテ之ヲ故買スレハ成立スルモノナルカ故ニ竊盜犯人ニ對スル公訴及私訴ノ時效ニ因リ消滅シタルヤ否ヤハ竊盜ノ賍物ヲ故買シタル罪ノ成否ニ毫モ關係ナキ」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H19 司法 第5問 エ)
甲は、丙が窃取して乙に売却したつぼを、これが盗品であることを知りながら、乙から購入した。この場合、丙の窃盗行為について公訴時効が成立していれば、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判明42.4.15)は、本肢と同種の事案において、「竊盜犯人ニ對スル公訴及私訴ノ時效ニ因リ消滅シタルヤ否ヤハ竊盜ノ賍物ヲ故買シタル罪ノ成否ニ毫モ關係ナキ」として、公訴時効の完成によって窃盗罪が消滅していたとしても、贓物売買の罪の成否には何ら関係がないことを示している。
したがって、丙の窃盗行為について公訴時効が成立していたとしても、甲の盗品等有償譲受け罪の成否に影響はなく、甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。

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盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物 大判大正5年7月13日

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概要
盗賊品たる情を知ってこれを買い受ける行為は盗品等関与罪を構成する。賍物に対する窃盗犯人が盗難被害者の親族か否かは犯罪の成否に影響を及ぼさない。
判例
事案:賍物に対する窃盗犯人が盗難被害者の親族であることを知りながら買い受けたという事案において、盗品等関与罪の成否が問題となった。

要旨:盗贓品タル情ヲ知テ之ヲ買受ケタル所為ハ贓物故買罪ヲ構成ス而シテ其贓物ニ対スル窃盗犯人カ盗難被害者ノ直系卑属ナルト否トハ犯罪ノ成否ニ影響ヲ及ホスコトナシ
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(R2 予備 第10問 エ)
親族間の犯罪に関する特例(刑法第244条)により刑が免除される犯人が窃取した物品は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たらない。

(正答)

(解説)
判例(大判大5.7.13)は、贓物に対する窃盗犯人が盗難被害者の親族であるか否かは、盗品等関与罪の成否に影響を及ぼさないことを示している。
したがって、親族間の犯罪に関する特例により刑が免除される犯人が窃取した物品は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる。

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盗品該当性 最一小判昭和24年10月20日

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概要
盗品たる婦人用自転車の車輪2個及びサドルを取り外し、これらを他の男子用自転車の車体に取り付けても、その車輪及びサドルの盗品性に変わりはない。
判例
事案:Aが窃取して来た婦人用自転車1台の車輪2個及び「サドル」を取外しこれらを同人の持参した男子用自転車の車体に組替え取付けて男子用に変更してこれをBに代金4千円で売却する斡旋をし盗品の処分をしたという事案において、盗品に当たるかが問題となった。

判旨:「判示のごとく組替え取付けて男子用に変更したからといって両者は原形のまま容易に分離し得ること明らかであるから、これを以て両者が分離することできない状態において附合したともいえないし、また、もとより所論のように婦人用自転車の車輪及び『サドル』を用いてAの男子用自転車の車体に工作を加えたものともいうことはできない。されば中古婦人用自転車の所有者たる窃盗の被害者は、依然としてその車輪及び『サドル』に対する所有権を失うべき理由はなく、従って、その賍物性を有するものであること明白であるから、原判決には所論の違法は認められない。」
過去問・解説

(H29 司法 第12問 ア)
甲は、自転車Aが、乙が自ら窃取した自転車Bからサドルを取り外し、乙所有の別の自転車本体に容易に着脱可能な状態で取り付けて完成させたものであると知りつつ、乙から自転車Aを購入した。甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.20)は、本肢と同種の事案において、「中古婦人用自転車の所有者たる窃盗の被害者は、依然としてその車輪及び『サドル』に対する所有権を失うべき理由はなく、従って、その賍物性を有するものであること明白である…。」として、盗品等関与罪の成立を肯定している。
したがって、甲が、乙が窃取した経緯を知りつつ、盗品のサドルを取り付けた自転車Aを購入した行為について、盗品等有償譲受け罪が成立する。

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盗品等関与罪における「盗品」と即時取得 最二小判昭和34年2月9日

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概要
盗品等に関する罪は、被害者が民法の規定によりその物の回復を請求する権利を失わない以上、その物につき成立し得る。
判例
事案:盗品等有償譲受けの事案において、盗品に民法上の即時取得が適用される場合の盗品等関与罪の成否が問題となった。

判旨:「賍物に関する罪は、被害者の財産権の保護を目的とするものであり、被害者が民法の規定によりその物の回復を請求する権利を失わない以上、その物につき賍物罪の成立することあるは原判示のとおりである。」
過去問・解説

(R2 予備 第10問 イ)
窃取された物品を買い受けた者が、平成穏に、かつ、公然とその占有を開始し、その際、善意無過失である場合、当該物品は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる余地はない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.2.9)は、「賍物に関する罪は、被害者の財産権の保護を目的とするものであり、被害者が民法の規定によりその物の回復を請求する権利を失わない以上、その物につき賍物罪の成立することある…。」として、即時取得された物について、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる(民法193条)ことから、その物も盗品等関与罪の客体となることを示している。
したがって、窃取された物品を買い受けた者が、平穏に、かつ、公然とその占有を開始し、その際、善意無過失である場合であっても、当該物品は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たる余地がある。

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未成年者と盗品等無償譲受け罪 大判明治44年12月18日

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概要
14歳に満たない者が他人の財物を窃取した場合といえども、客観的に犯罪構成の要素を具備するときは、その行為は窃盗であり、その財物は盗品である。したがって、情を知ってその盗品を買い受ける行為は盗品等関与罪となる。
判例
事案:14歳に満たないものが窃取した財物を、それが盗品であることを知りながら購入したという事案において、盗品等有償譲受け罪の成否が問題となった。

要旨:十四歳ニ満タサル者カ他人ノ財物ヲ窃取シタル場合ト雖モ客観的ニ犯罪構成ノ要素ヲ具備スルニ於テハ其行為ハ盗ニシテ其財物ハ賍ナルコト論ヲ竢タス従テ情ヲ知テ其賍ヲ買受ケタル行為ハ財物故買罪ヲ構成スルモノトス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(H23 司法 第17問 5)
甲は、12歳の乙が電器店で窃取した携帯電話機を乙から買い、代金を支払ってその交付を受けた。この場合、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.18)は、本肢と同種の事案において、14歳未満の者が窃取した物であっても、それが構成要件に該当する行為によって領得された物であれば、盗品等関与罪の客体となることを示している。
したがって、12歳の乙が電器店で窃取した携帯電話機を譲り受けた甲には、盗品等有償譲受け罪が成立する。


(H29 司法 第12問 ウ)
甲は、刑法第41条の刑事未成年である乙が窃取した物を、盗品であると知りつつ、乙から無償で譲り受けた。甲には盗品等無償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.18)は、本肢と同種の事案において、14歳未満の者が窃取した物であっても、それが構成要件に該当する行為によって領得された物であれば、盗品等関与罪の客体となることを示している。
したがって、刑事未成年である乙が窃取した物を譲り受けた甲には、盗品等無償譲受け罪が成立する。

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本犯者に対する盗品等無償譲受け罪の成否 最二小判昭和24年10月1日

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概要
盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬しても、盗品等有償譲受け罪のほか、盗品等運搬罪は成立しない。
判例
事案:盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、盗品等有償譲受け罪のほか、盗品等運搬罪が成立するかが問題となった。

判旨:「被告人が、その故買にかかる賍物を他に運搬した事実を認定し、これに対して刑法第256条第2項の規定を適用していることは、原判文上明らかであるが、同一人が既に故買した物件を他に運搬するがごときは、犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらかである。」
過去問・解説

(H22 司法 第20問 エ)
甲は、金庫の中にあった多量の宝石と多額の現金を奪った後、犯行の痕跡を消し去ろうと考えて乙宅に火を放ち、乙宅は全焼した。その後、甲は、上記宝石を丙に売却することとしたが、その際、上記事情を知る丁に依頼して、丁が運転する自動車に乗り、丁と一緒に同宝石を丙宅まで運搬した。
甲に盗品等運搬罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.1)は、盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、「犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらか…。」として、盗品等に関する罪は本犯以外の者が主体になることを前提としている。
甲は窃盗犯人であり、窃盗犯人が盗品を運搬することは、犯罪によって得たものの事後処分に過ぎないといえる。
したがって、甲に盗品等運搬罪は成立しない。


(H24 共通 第15問 5)
甲と乙は、V経営の食料品店で買った弁当を食べたら食中毒になった旨の嘘を言って因縁を付けてVを脅迫するとともに、同人に軽度の暴行を加え、これらの暴行・脅迫により同人を畏怖させて、損害賠償金の名目で50万円を支払わせ、これを分配することを計画した。乙は、計画に従い、同店に行き、Vに対し、「この店の弁当を食べたら食中毒になった。店の営業を続けたければ50万円払え。払わないと、この店の弁当で食中毒になったと書いたビラをばらまくぞ。」と語気鋭く申し向けた上、Vの額を手の平成で軽くたたいた。Vは、これをよけようとした際、バランスを崩して転倒し、全治約1週間を要する後頭部打撲の怪我を負った。
Vは、乙が食中毒になったことは嘘であると気付いたが、乙の要求に応じないと、更に暴力を振るわれたり、店を中傷するビラをまかれるかもしれないと畏怖し、手持ちの現金30万円を乙に渡し、残りの20万円は翌日支払うことで乙を納得させた。
乙は、同店を出て、甲と会い、前記経緯を説明した上、Vから受け取った30万円のうち15万円を分け前として甲に渡した。
乙から15万円を受け取ったことについて、甲には、盗品等無償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.1)は、盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、「犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらか…。」として、盗品等に関する罪は本犯以外の者が主体になることを前提としている。
甲は、乙と共謀の上で Vを恐喝して50万円を支払わせており、恐喝罪について乙と共同正犯となる。
したがって、乙から15万円を受け取ったことは、犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないといえる。
よって、甲に盗品等無償譲受け罪は成立しない。

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盗品等運搬罪の成否 最三小判昭和30年7月12日

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概要
窃取した物品を運搬するのは所謂事後処分であるけれどもその物品は依然盗賍品であり、これをその情を知りながら共犯者と共に運搬した被告人についてはその品全部について盗品等運搬罪が成立する。
判例
事案:窃盗犯人と共同して盗品を分担して運搬した事案において、盗品等運搬罪の成否とその範囲が問題となった。

判旨:「第1審判決のとおり被告人が窃盗犯人甲及び乙と共同して銅線34把を運搬したものであることは記録上認められるから所論の違法もなく原判示は正当である。」
過去問・解説

(H28 共通 第20問 イ)
甲は、内縁の妻Aと同居していたところ、遊興費に窮し、A所有のドレス20着及び指輪1個と、A管理のA名義のクレジットカード1枚(その規約上、会員である名義人のみが利用でき、他人への譲渡、貸与等が禁じられ、また、加盟店は、利用者が会員本人であることを善良な管理者の注意義務をもって確認することが定められている。)を、Aの部屋から盗み出した。
甲は、丙にドレス及び指輪の売却を仲介してもらおうと考え、これらの盗品を丙方に運ぼうとした。しかし、甲は、ドレスの数が多く一人で運ぶのが困難であったため、乙に対し、ドレスと指輪が盗品であることを話した上で、丙宅への運搬を手伝ってほしいと頼んだ。乙がこれを了解したので、甲及び乙は、指輪とドレスのうち10着を甲が、残りのドレス10着を乙が、それぞれ運転する自動車に載せて丙宅へ運ぶこととし、これらの盗品を丙宅へ運んだ。
乙が盗品のドレス10着を、窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を、それぞれ丙宅まで運搬したことにつき、乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから、乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.7.12)は、「甲等がその窃取した本件物品を運搬するのは所謂事後処分であるけれどもその物品は依然盗賍品であり、これをその情を知りながら甲等と共に運搬した被告人についてはその品全部について運搬罪を成立するものと解するを相当とする。」として、運搬した物全てについて盗品等運搬罪が成立するとした原審(福岡高判昭28.6.13)の判断を正当であるとしている。
したがって、乙が盗品のドレス10着を、窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を、それぞれ丙宅まで運搬したことにつき、乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから、乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。

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盗品等保管罪の「保管」 最二小判昭和34年7月3日

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概要
256条2項にいう「保管」とは、委託を受けて本犯のために盗品を保管することをいう。
判例
事案:強奪品であることを知りながら宝石を預かったという事案において、256条2項にいう「保管」の意義が問題となった。

判旨:「刑法256条2項にいう『寄蔵』とは、委託を受けて本犯のために賍品を保管することをいうのであって、所論大審院判例も右と同旨に出たものと解することができ…。」
過去問・解説

(H19 司法 第5問 イ)
甲は、購入した絵画について、購入後盗品であることを知ったが、そのまま自宅の応接間に飾り続けた。この場合、甲には盗品等保管罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭34.7.3)は、「256条2項にいう『寄蔵』とは、委託を受けて本犯のために賍品を保管することをいう…。」としている。
したがって、甲は委託を受けずに盗品を保管しているから、甲の保管行為は「保管」に該当せず、甲に盗品等保管罪は成立しない。

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盗品等保管罪の成否 最一小決昭和50年6月12日

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概要
盗品であることを知らずに物品の保管を開始した後、盗品であることを知るに至ったのに、なおも本犯のためにその保管を継続したときは、盗品の保管にあたる。
判例
事案:盗品であることを知らずに物品の保管を開始した後、盗品であることを知るに至ったのに、なおも本犯のためにその保管を継続したという事案において、盗品等保管罪の成否が問題となった。

判旨:「賍物であることを知らずに物品の保管を開始した後、賍物であることを知るに至ったのに、なおも本犯のためにその保管を継続するときは、賍物の寄蔵にあたるものというべきであり、原判決に法令違反はない。」
過去問・解説

(H23 司法 第17問 4)
甲は、乙からパソコンを預かり保管したが、その1か月後、同パソコンは、乙が丙から窃取したものであることを知ったにもかかわらず、乙のために保管を継続した。この場合、甲には盗品等保管罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭50.6.12)は、本肢と同種の事案において、「賍物であることを知らずに物品の保管を開始した後、賍物であることを知るに至ったのに、なおも本犯のためにその保管を継続するときは、賍物の寄蔵にあたるものというべき…。」としている。
したがって、乙が丙から窃取したものであることを知ったにもかかわらず、乙のために保管を継続した甲には盗品等保管罪が成立する。

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盗品等保管罪の成否(自動車金融) 最三小判平成元年7月7日

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概要
買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げた場合、窃盗罪が成立する。
判例
事案:買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げたという事案において、窃盗罪の成否が問題となった。

判旨:「被告人は、いわゆる自動車金融の形式により、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律による利息の制限を免れる外形を採って高利を得る一方、融資金の返済が滞ったときには自動車を転売して多額の利益をあげようと企て、『車預からず融資、残債有りも可』という広告を出し、これを見て営業所を訪れた客に対し、自動車の時価の2分の1ないし10分の1程度の融資金額を提示したうえ、用意してある買戻約款付自動車売買契約書に署名押印させて融資をしていた。契約書に書かれた契約内容は、借主が自動車を融資金額で被告人に売渡してその所有権と占有権を被告人に移転し、返済期限に相当する買戻期限までに融資金額に一定の利息を付した金額を支払って買戻権を行使しない限り、被告人が自動車を任意に処分することができるというものであり、さらに本件の3台の自動車のうち2台に関しては、買戻権が行使された場合の外は被告人は『自動車につき直接占有権をも有し、その自動車を任意に運転し、移動させることができるものとする。』という条項を含んでいた。しかし、契約当事者の間では、借主が契約後も自動車を保管し、利用することができることは、当然の前提とされていた。まだ、被告人としては、自動車を転売した方が格段に利益が大きいため、借主が返済期限に遅れれば直ちに自動車を引き揚げて転売するつもりであったが、客に対してはその意図を秘し、時たま説明を求める客に対しても『不動産の譲渡担保と同じことだ。』とか『車を引き揚げるのは100人に1人位で、よほどひどく遅れたときだ。』などと説明するのみであり、客には契約書の写しを渡さなかった。
 借主は、契約後も、従前どおり自宅、勤務先等の保管場所で自動車を保管し、これを使用していた。また、借主の中には、買戻権を喪失する以前に自動車を引き揚げられた者もあり、その他の者も、次の営業日が短時日中に融資金を返済する手筈であった。
 被告人又はその命を受けた者は、一部の自動車については返済期限の前日又は未明、その他の自動車についても返済期限の翌日未明又は数日中に、借主の自宅、勤務先等の保管場所に赴き、同行した合鍵屋に作らせた合鍵又は契約当日自動車の点検に必要であるといって預かったキーで密かに合鍵屋に作らせたスペアキーを利用し、あるいはレッカー車に牽引させて、借主等に断ることなしに自動車を引き揚げ、数日中にこれらを転売し、あるいは転売しようとしていた。
 以上の事実に照らすと、被告人が自動車を引き揚げた時点においては、自動車は借主の事実上の支配内にあったことが明らかであるから、かりに被告人にその所有権があったとしても、被告人の引揚行為は、刑法242条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして窃盗罪を構成するというべきであり、かつ、その行為は、社会通念上借主に受忍を求める限度を超えた違法なものというほかはない。」
過去問・解説

(H19 司法 第5問 オ)
甲は、乙がAに賃貸していた車を、賃貸借契約期間中であるにもかかわらず、乙が合鍵で勝手に引き上げてきてしまったものであることを知りながら、これを乙から借り受けて自己の車庫に保管した。この場合、車の所有権が乙にあったとしても甲には盗品等保管罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判平元.7.7)は、本肢と同種の事案において、「被告人が自動車を引き揚げた時点においては、自動車は借主の事実上の支配内にあったことが明らかであるから、かりに被告人にその所有権があったとしても、被告人の引揚行為は、刑法242条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして窃盗罪を構成するというべきであり、かつ、その行為は、社会通念上借主に受忍を求める限度を超えた違法なもの…。」として、窃盗罪の成立を認めている。
したがって、乙に窃盗罪が成立する。
また、甲は、乙が合鍵で勝手に引き上げてきてしまったものであることを知りながら、これを乙から借り受けて自己の車庫に保管しているから、甲には盗品等保管罪が成立する。

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盗品等有償譲受け罪の成否 大判大正12年1月25日

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概要
盗品等関与罪は、盗品であることを知って売買交換等の有償行為によりこれを受領することによって成立するものであり、単に売買を約束するも受領の事実がない者に、盗品等関与罪は成立しない。
判例
事案:盗品であることを知りながら売買の約束をしたが、実際に売買は行わなかったという事案において、盗品等関与罪の成否が問題となった。

判旨:「贓物故買罪ハ贓物タル情ヲ知テ売買交換等ノ有償行為ニ依リ之ヲ受領スルニ因テ成立スルモノニシテ単ニ売買ヲ約スルモ受領ノ事実之ニ伴ハサルモノハ其ノ罪ヲ構成セス」
過去問・解説

(H27 司法 第12問 1)
盗品等無償譲受け罪が成立するためには、無償譲受けについて契約を締結しただけでは足りず、盗品等が現実に移転されることが必要であるが、盗品等有償譲受け罪は、有償譲受けについて契約を締結しただけで成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判大12.1.25)は、盗品であることを知りながら売買の約束をしたが、実際に売買は行われなかった事案において、「贓物故買罪ハ贓物タル情ヲ知テ売買交換等ノ有償行為ニ依リ之ヲ受領スルニ因テ成立スルモノニシテ単ニ売買ヲ約スルモ受領ノ事実之ニ伴ハサルモノハ其ノ罪ヲ構成セス」として、盗品等有償譲受け罪は、盗品等が現実に移転することが必要であることを示している。
したがって、盗品等有償譲受け罪は、有償譲受けについて契約を締結しただけでは成立しない。

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盗品等有償譲受け罪の成立時期 広島高判昭和25年4月19日

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概要
盗品等関与罪に関する規定は盗品が移転して被害者が其の物の回復をすることが困難になるのを防止することを目的としているので、盗品等有償買受け罪が成立するには単に売買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支払っただけでは足らず、盗品を受領することを要するものと解すべきである。
判例
事案:盗品等関与罪の事案において、代金を支払った時点で盗品等有償譲受け罪が成立するかが問題となった。

判旨:「賍物罪に関する規定は賍物が移轉して被害者が其の物の回復をすることが困難になるのを防止することを以って、目的として居るので、賍物故買罪が成立するには單に賣買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支拂った丈では足らず、賍物を受領することを要するものと解すべきである…。」
過去問・解説

(H23 司法 第17問 3)
甲は、乙が窃取した丙所有の自動車を乙から買って、乙に代金を支払ったが、乙が検挙されてしまい、乙から同車の引渡しを受けることができなかった。この場合、甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
裁判例(広島高判昭25.4.19)は、「賍物故買罪が成立するには單に賣買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支拂った丈では足らず、賍物を受領することを要するものと解すべきである…。」としている。
甲は、乙から丙所有の自動車の引渡しを受けることができなかったのであるから、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

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盗品等有償譲受け罪と未必の故意 最三小判昭和23年3月16日

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概要
盗品等有償譲受け罪は盗品等であることを知りながらこれを買受けることによって成立するものであるが、その故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が盗品等であることを確定的に知っていることを必要としない。盗品等であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである。
判例
事案:盗難された衣類の売買に関する事案において、盗品等有償譲受け罪が成立するための故意は盗品等であると確定的な認識が必要であるかが問題となった。

判旨:「賍物故買罪は賍物であることを知りながらこれを買受けることによって成立するものであるがその故意が成立する為めには必ずしも買受くべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかも敢てこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである故にたとえ買受人が売渡人から賍物であることを明に告げられた事実が無くても苟くも買受物品の性質、数量、売渡人の属性、態度等諸般の事情から『或は賍物ではないか』との疑を持ちながらこれを買受けた事実が認められれば賍物故買罪が成立するものと見て差支ない…『賍物ではないか』との推量をなさしむるに足る事情であるから被告人がこれ等の事情によって『盗んで来たものではなかろうかと思った』旨供述して居る以上此供述により前記未必の故意を認定するのは相当である…。」
過去問・解説

(H23 共通 第18問 1)
甲は、乙が第三者から盗んできた物を、盗品かもしれないと認識していたが、値段が安いのでそれでも構わないと思って有償で譲り受けた。この場合、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.3.16)は、「故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである…。」としている。
甲は、乙が第三者から盗んできた物を、盗品かもしれないと認識していたのであるから、未必の故意が認められる。
したがって、甲には盗品等有償譲受罪が成立する。


(H25 予備 第7問 3)
甲は、乙から、乙が窃取してきた貴金属類を、乙が盗んできたものかもしれないと思いながら、あえて買い取った。甲には盗品等有償譲受け罪の故意が認められる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.3.16)は、「故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである…。」としている。
甲は、乙から、乙が窃取してきた貴金属類を、乙が盗んできたものかもしれないと認識していたのであるから、未必の故意が認められる。
したがって、甲には盗品等有償譲受罪の故意が認められる。


(R1 司法 第11問 3)
甲は、乙が第三者から窃取した指輪を、もしかしたら盗品かもしれないと思いながら、あえて有償で乙から譲り受けた後、同指輪に乙と同じイニシャルが刻み込まれていることに気付き、盗品ではないと確信するに至った。この場合、甲には、盗品等有償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.3.16)は、「故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである…。」としている。
甲は、後に盗品ではないと確信するに至ったものの、譲受時に盗品かもしれないと認識していたのであるから、未必の故意が認められる。
したがって、甲には盗品等有償譲受罪が成立する。


(R5 司法 第1問 オ)
甲は、乙が窃取したバッグを、これが盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入した。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.3.16)は、「故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである…。」としている。
甲は、乙が第三者から盗んできた物を、盗品かもしれないと認識していたのであるから、未必の故意が認められる。
したがって、甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。

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盗品等有償譲受け罪の客体に対する故意 最大判昭和24年10月5日

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概要
盗品に関する罪の成立に必要な盗品たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によつて不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。
判例
事案:盗品に関する罪の成立に必要な盗品たることの知情の程度が争われた事案において、盗品等関与罪の成立に必要な盗品の認識の程度が問題となった。

判旨:「贓物に関する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によって不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。」
過去問・解説

(H27 司法 第12問 3)
盗品等有償譲受け罪の客体に対する故意は、財産罪に当たる行為によって領得された物であることの認識があれば足り、いかなる財産罪に当たるかの認識までは不要である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.5)は、「贓物に関する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によって不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。」としている。
したがって、盗品等有償譲受け罪の客体について、なんらかの財産罪に当たる行為によって領得された物であることの認識があれば足り、具体的にいかなる財産罪に当たるかの認識までは不要である。

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盗品等有償処分あっせん罪における「あっせん」の意義 最二小判昭和25年8月9日

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概要
盗品等有償処分あっせん罪が成立するためには、盗品の処分行為の媒介周旋を行うについて、利益を伴うことを必要としない。
判例
事案:盗品であることを知りながら、無償でその処分行為のあっせんを行ったという事案において、盗品のあっせん行為自体には利益を伴うことが必要かが問題となった。

判旨:「牙保は贓物の処分行為の媒介周旋をすれば足り、そのため利益を伴うことを要するものではない。」
過去問・解説

(H19 司法 第5問 ウ)
甲は、乙から、乙が盗んだ時計の処分に困り、盗んだ時計を誰かに無償で譲りたいとの相談を受け、時計を欲しがっていたAを乙に紹介した。この場合、甲が乙からあっせん料をもらったとしても、甲には盗品等有償処分あっせん罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.8.9)は、盗品等の処分をあっせんした事案において、「牙保は贓物の処分行為の媒介周旋をすれば足り、そのため利益を伴うことを要するものではない。」として、盗品等有償処分あっせん罪が成立するために、盗品のあっせん行為自体には利益を伴うことを必要としないことを示している。
甲は、盗んだ時計を誰かに無償で処分するあっせんをしたにすぎず、甲に盗品等無償処分あっせん罪が成立する。
したがって、甲には盗品等有償処分あっせん罪は成立しない。


(H27 司法 第12問 2)
盗品等の売買をあっせんすれば、あっせん自体が無償であっても、盗品等有償処分あっせん罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.8.9)は、盗品等の処分をあっせんした事案において、「牙保は贓物の処分行為の媒介周旋をすれば足り、そのため利益を伴うことを要するものではない。」として、盗品等有償処分あっせん罪が成立するために、盗品のあっせん行為自体には利益を伴うことを必要としないことを示している。

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盗品等有償処分あっせん罪と窃盗教唆 最三小判昭和25年11月10日

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概要
牽連犯が成立するためにはある犯罪と他の犯罪との間に通常手段又は結果の関係があることが必要である。そして窃盗罪の教唆犯と盗品等有償処分あっせん罪は通常手段又は結果の関係はないから併合罪の関係に立つ。
判例
事案:窃盗を教唆した者が教唆した窃盗による被害品を譲り受けた事案において、罪数関係が問題となった。

判旨:「刑法第54条後段の牽連犯が成立するためにはある犯罪と他の犯罪との間に通常手段又は結果の関係があることが必要であって、被告人が主観的にある犯罪を他の犯罪の手段として行ったということだけでは足りないのである。そうして窃盗教唆と賍物故買との間には通常手段又は結果の関係はないのであるから、被告人が賍物故買の手段として窃盗教唆を行ったものであっても牽連犯にあたるものでなく両者は併合罪の関係に立つものというべきである。」
過去問・解説

(H23 司法 第17問 2)
甲は、乙を教唆して丙所有の自動車を窃取させた後、乙に代金を支払って同自動車を買い受け、その引渡しを受けた。この場合、甲には、窃盗教唆罪が成立し、盗品等有償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.11.10)は、「窃盜教唆と賍物故買との間には通常手段又は結果の関係はないのであるから、被告人が賍物故買の手段として窃盜教唆を行ったものであっても牽連犯にあたるものでなく両者は併合罪の関係に立つ…。」として、窃盗の教唆行為によって、盗品等に関する罪の違法性が評価され尽くされているとはいえず、窃盗教唆罪と盗品等有償譲受け罪の両罪が成立し、併合罪となるとしている。
したがって、甲には、窃盗教唆罪と盗品等譲受罪が成立する。

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盗品等有償処分あっせん罪の成否 最三小判昭和26年1月30日

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概要
盗品等の売買をあっせんすれば、盗品等が現実に移転されなくても、盗品等有償処分あっせん罪が成立する。
判例
事案:窃盗犯人から売卸を依頼され盗品たることを知りながら、Aに対し本件盗品を買うように斡旋し、同人と同道して盗品の所在場所に出向いている途中に逮捕されたという事案において、盗品等有償処分あっせん罪の成否が問題となった。

判旨:「論旨は上告人は本件賍物を買受人たるAに示しておらず、同人をして買受を決定せしめるに至っていない。従って賍物牙保罪は成立しないと主張する。しかし被告人はBから同人等が窃取た衣類260余点の売卸法を依頼され賍物たる情を知りながらAに対し本件賍物を買受けられた旨を申向けて斡旋し、同人と同道して賍物の所在場所に出向いた途中逮捕されたというのであって被告人の行為はB等が判示犯罪によって得た賍物に関して同人等の為めの不公正な取引を仲介周旋したものであって一般に強窃盗等を誘発するおそれが十分にあるといわなければならない、されば被告人の右周旋行為によって未だ賍物の売買は完成するに至らず、また本犯の被害者の賍物返還請求権行使を不能又は困難ならしめるおそれはなかったとしても、尚行為自体は既に賍物牙保罪の成立に必要な周旋行為に該当するものと認める相当とする…。」
過去問・解説

(H27 司法 第12問 4)
盗品等の売買をあっせんすれば、盗品等が現実に移転されなくても、盗品等有償処分あっせん罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭26.1.30)は、「被告人の右周旋行為によって未だ賍物の売買は完成するに至らず、また本犯の被害者の賍物返還請求権行使を不能又は困難ならしめるおそれはなかったとしても、尚行為自体は既に賍物牙保罪の成立に必要な周旋行為に該当する…。」として、売買のあっせんがなされれば、盗品等が現実に移転されなくても、盗品等有償処分あっせん罪が成立することを示している。

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盗品等処分あっせん罪の成否 最一小決平成14年7月1日

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概要
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たる。
判例
事案:窃盗の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをしたという事案において、「有償の処分のあっせん」に当たるかが問題となった。

判旨:「盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるから、刑法256条2項にいう盗品等の『有償の処分のあっせん』に当たると解するのが相当である…これと同旨の見解に立ち、被告人の行為が盗品等処分あっせん罪に当たるとした原判断は、正当である。」
過去問・解説

(H23 司法 第17問 1)
甲は、何者かがA社事務所から窃取した約束手形をA社に買い取らせる交渉を乙に依頼され、A社と買取りの条件を交渉したところ、同手形はA社に売却された。この場合、甲には盗品等処分あっせん罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平14.7.1)は、本肢と同種の事案において、「盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるから、刑法256条2項にいう盗品等の『有償の処分のあっせん』に当たる…。」としている。
したがって、被害者A社を相手に約束手形の有償処分のあっせんをしている甲には、盗品等処分あっせん罪が成立する。


(H28 共通 第20問 ウ)
丙がAを相手方として指輪の売却をあっせんしたことにつき、Aは窃盗の被害者であるが、丙には盗品等処分あっせん罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平14.7.1)は、本肢と同種の事案において、「盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく、窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるから、刑法256条2項にいう盗品等の『有償の処分のあっせん』に当たる…。」としている。
丙は、被害者Aを相手に指輪の売却のあっせんをしているから、盗品等処分あっせん罪が成立する。

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盗品等有償譲受け罪と親族相盗例 最三小判昭和25年12月12日

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概要
親族相盗例(244条)所定の者の間において行われた窃盗罪によって奪取された物は、盗品たる性質を失わない。
判例
事案:Aがその同居の親族から盗んできた財物を、盗品であると知りながらAから購入したという事案において、親族相盗例により盗まれた財物が盗品性を有するかが問題となった。

判旨:「刑法244条は、同条所定の者の問において行われた窃盗罪及びその未遂罪に関しその犯人の所罰につき特例を設けたに過ぎないのであって、その犯罪の成立を否定したものではないから、右窃盗罪によって奪取された物は賍物たる性質を失わない。それゆえ、仮りに被告人においてその買受けた物品につき所論のような認識しか有しなかったとしても賍物罪の成立を阻却せしむるものではない。」
過去問・解説

(H28 共通 第16問 4)
甲は、乙がその同居の親族から盗んできたカメラを、盗品であると知りながら乙から購入した。この場合、乙は、窃盗罪についての刑が免除されることから、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.12.12)は、本肢と同種の事案において、「244条は、同条所定の者の問において行われた窃盗罪及びその未遂罪に関しその犯人の所罰につき特例を設けたに過ぎないのであって、その犯罪の成立を否定したものではないから、右窃盗罪によって奪取された物は賍物たる性質を失わない。」としている。
客体である乙がその同居の親族から盗んできたカメラは盗品に当たる。
したがって、甲は、盗品と知りながら同カメラを購入しているため、甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。

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盗品等無償譲受け罪と親族相盗例 最二小決昭和38年11月8日

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概要
257条第1項は、本犯と盗品等に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、盗品等に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものであり、盗品等に関する犯人相互の間に右所定の関係があってもその刑を免除すべき事由とはならない。
判例
事案:盗品等であることをを知りながら、妻が買受けた盗品等を同人の依頼によって運搬したという事案において、親族相盗例の適否が問題となった。

判旨:「刑法257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものであるから、原判決が、たとい賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない旨を判示したのは正当である…」
過去問・解説

(H23 司法 第13問 1)
甲は、同居している甥の乙が盗んできた宝石を、その事情を知りながら、乙から無償で譲り受けた。この場合、甲には盗品等無償譲受け罪が成立するが、その刑は免除される。

(正答)

(解説)
判例(最決昭38.11.8)は、本肢と同種の事案において、「257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものである…賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない…。」としている。
したがって、本犯である乙は、甲の同居の甥であるから、甲は刑を免除される。


(H27 司法 第12問 5)
盗品等有償譲受け罪の犯人が本犯である窃盗犯人の配偶者である場合、当該盗品等有償譲受け罪の犯人について、その刑は免除される。

(正答)

(解説)
判例(最決昭38.11.8)は、妻が買受けた盗品等を同人の依頼によって夫が運搬した事案において、「257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものである…賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない…。」としている。
したがって、盗品等有償譲受け罪の犯人は本犯である窃盗犯人の配偶者であれば、その刑は免除される。


(H29 司法 第12問 エ)
甲は、親族関係にない窃盗犯人乙から盗品の保管を依頼された。甲は、同盗品が、甲の実父丙の自宅から窃取された丙所有の物であると知りつつ、乙からの依頼を受け入れて、同盗品を保管した。甲は盗品等保管罪の刑が免除される。

(正答)

(解説)
判例(最決昭38.11.8)は、本肢と同種の事案において、「257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものである…賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない…。」としている。
したがって、甲と本犯である乙とは親族関係にないから、その刑は免除されない。


(H29 司法 第12問 オ)
甲は、妻乙が、親族関係にない窃盗犯人丙から盗品であると知りつつ購入した物を、乙から依頼を受け、盗品であると知りつつ、乙の指定した場所まで運んだ。甲は盗品等運搬罪の刑が免除される。

(正答)

(解説)
判例(最決昭38.11.8)は、本肢と同種の事案において、「257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものである…賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない…。」としている。
したがって、甲と本犯である丙とは親族関係にないから、その刑は免除されない。


(R1 共通 第20問 エ)
甲は、友人乙から、借金の返済に窮している旨の相談をされ、乙に対し、「実家に親父の高級腕時計がある。それを盗んで売りさばけば金になる。」と提案し、甲と別居する甲の実父V方からV所有の腕時計を盗むことを唆した。乙は、甲の提案を受け、V方に窃盗に入ることとしたが、仮に、窃盗を行う際にVらに見付かって逮捕されそうになった場合には、Vらをナイフで脅してこれを抑圧し、逃走しようと考えた。
 乙は、某日午後0時頃、前記の意図でナイフを購入し、それを携帯してV方に向かい、同日午後1時頃、腕時計を盗む目的で、V方に窓から侵入した上、寝室でV所有の腕時計(時価100万円相当)を窃取した。乙は、その後間もなく、V方玄関ドアの施錠を外して戸外に出て、誰からも発見、追跡されることなく、V方から約1キロメートル離れた公園まで逃げた。乙は、同所において、やはり現金も欲しいと考え、再度V方に窃盗に入ることを決意し、V方に戻り、同日午後1時30分頃、V方玄関内に入ったところ、その直後に帰宅してきたVと鉢合わせとなったことから、逮捕を免れるため、前記ナイフをVの面前に示し、Vが恐怖の余り身動きできないうちに逃走した。
 乙は、翌日、甲に前記腕時計の売却を依頼した。甲は、同腕時計の売却先を探し、知人丙に対し、その買取りを申し向けたところ、丙が80万円で購入する旨答えたことから、同腕時計を丙に売却した。甲は、丙から同腕時計の売却代金として80万円を受け取ったが、その後、これを自己のものにしようと考え、乙に無断で、その全額を遊興費として費消した。
 Vの直系血族である甲には盗品等に関する罪について親族等の間の犯罪に関する特例が適用されるため、盗品等有償処分あっせん罪について、甲はその刑を免除される。

(正答)

(解説)
判例(最決昭38.11.8)は、本肢と同種の事案において、「257条1項は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものである…賍物に関する犯人相互の間に右所定の配偶者たる関係があってもその刑を免除すべきでない…。」としている。
したがって、甲と本犯である乙とは親族関係にないから、その刑は免除されない。

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