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取消訴訟 - 解答モード
第8条
条文
① 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。
② 前項ただし書の場合においても、次の各号の一に該当するときは、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを提起することができる。
一 審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないとき。
二 処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。
三 その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
③ 第1項本文の場合において、当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで(審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないときは、その期間を経過するまで)、訴訟手続を中止することができる。
過去問・解説
(H23 司法 第31問 ウ)
法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがある場合には、審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときに限り、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条2項各号は、いわゆる不服申立前置に関する定めがある場合であっても、裁決を経ずに、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる場合として、「審査請求があった日から3箇月を経過しても裁決がないとき。」(同項1号)、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。」(同項2号)及び「その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。」(同項3号)を掲げている。
したがって、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがある場合には、審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときに限らず、行訴法8条2項2号、及び、3号のときにおいても、裁決を経ないで、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる。
(H26 共通 第31問 ア)
処分について審査請求をすることができる場合であっても、法律に特段の定めのない限り、直ちに処分の取消しの訴えを提起することができる。
(H27 予備 第23問 ア)
審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができない旨の法律の定めがある処分については、審査請求に対する裁決を経ない段階において、処分の取消しの訴えを提起し、併せて当該処分につき執行停止を求める申立てをしても、当該申立てが適法とされる余地はない。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条1項但書は、いわゆる不服申立前置に関するの定めがある場合においては、まず審査請求を経る必要があると規定している。もっとも、同法8条2項各号は、不服申立前置に関するの定めがある場合であっても、裁決を経ずに、処分の取消しの訴えを適法に提起することができる場合を掲げている。
したがって、審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができない旨の法律の定めがある処分については、審査請求に対する裁決を経ない段階において、処分の取消しの訴えを提起し、併せて当該処分につき執行停止を求める申立てをしたときは、同法8条2項各号所定の場合に適法とされる。
(H29 予備 第20問 ア)
処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げないが、当該処分につき審査請求がされているときは、その審査請求に対する裁決があるまで、提起することができない。
(正答)✕
(解説)
行手法8条1項本文は、「処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。」と規定している。また、同条3項は、「当該処分につき審査請求がされているときは、裁判所は、その審査請求に対する裁決があるまで…訴訟手続を中止することができる。」と規定しており、裁決の前に取消訴訟が提起される場合を前提としている。
したがって、当該処分につき審査請求がされているとき、その審査請求に対する裁決がなくとも、処分の取消しの訴えを提起することができると解されている。
よって、処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げず、当該処分につき審査請求がされているとき、その審査請求に対する裁決がなくとも、提起することができる。
(R1 予備 第18問 ウ)
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。)に基づく不開示決定については、いわゆる不服申立前置の制度はとられておらず、不服を有する者は、行政不服審査法に基づく不服申立てをせずに直接裁判所に対して取消訴訟を提起することもできる。
(正答)〇
(解説)
行訴法8条1項は、「処分の取消しの訴えは、…審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律には、同項但書が規定しているいわゆる不服申立前置に関するの規定が存在しないため、審査請求と取消訴訟を事由に選択することができる。
したがって、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく不開示決定については、いわゆる不服申立前置の制度はとられておらず、不服を有する者は、行政不服審査法に基づく不服申立てをせずに直接裁判所に対して取消訴訟を提起することもできる。
(R5 予備 第18問 イ)
行政文書の開示請求に対する不開示決定を受けた開示請求者は、行政不服審査法に基づく不服申立てを行わずに、当該不開示決定につき、適法に取消訴訟を提起することはできない。
(正答)✕
(解説)
行訴法8条1項は、「処分の取消しの訴えは、…審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない。」と規定している。
そして、情報公開法には、同項但書が規定しているいわゆる不服申立前置に関するの規定が存在しないため、審査請求と取消訴訟を事由に選択することができる。
したがって、行政文書の開示請求に対する不開示決定を受けた開示請求者は、行政不服審査法に基づく不服申立てを行わずに、当該不開示決定につき、適法に取消訴訟を提起することはできる。
第9条
条文
① 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
② 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
過去問・解説
(H18 司法 第40問 ア)
行政事件訴訟法には、取消訴訟の原告適格に関する規定があるが、行政不服審査法には、不服申立適格に関しそれに相当する規定は置かれていない。
(H25 予備 第18問 ア)
処分の取消しの訴えは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者及び直接的かつ重大な事実上の利益を有する者に限り、提起することができる。
(H25 予備 第18問 イ)
処分の取消しの訴えの原告適格を判断するに当たっては、当該処分の根拠法令と目的を共通にする関係法令があるときは、その趣旨及び目的をも参酌すべきである。
(H25 予備 第18問 ウ)
処分の取消しの訴えの原告適格を判断するに当たっては、当該処分が根拠法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきである。
(H29 予備 第15問 エ)
建築物の建築に係る許認可処分の審査基準において、一定の距離の範囲内に居住する近隣住民の健康や生活環境上の利益の保護を目的とする内容の定めがあるときは、当該処分の取消訴訟における近隣住民の原告適格の判断において、当該審査基準は、それ自体が、原告適格の判断における考慮事項を定める行政事件訴訟法第9条第2項の「関係法令」として考慮の対象となる。
(正答)✕
(解説)
行訴法9条2項後段は、処分の取消しの訴えの原告適格の判断について、「当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するもの…とする。」と規定している。
そして、本肢における審査基準は、裁量基準という行政規則にすぎず、「関係法令」には当たらない。
したがって、建築物の建築に係る許認可処分の審査基準において、一定の距離の範囲内に居住する近隣住民の健康や生活環境上の利益の保護を目的とする内容の定めがあるときは、当該処分の取消訴訟における近隣住民の原告適格の判断において、当該審査基準は、原告適格の判断における考慮事項を定める行訴法第9条第2項の「関係法令」に当たらず、考慮の対象とはならない。
第10条
条文
① 取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができない。
② 処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。
過去問・解説
(H19 司法 第37問 ア)
取消訴訟においては、行政処分の違法一般が審理の対象となるから、原告は、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることもできる。
(H24 司法 第33問 ア)
処分の取消しの訴えにおいて、原告は、処分に関係する一切の違法を理由として取消しを求めることができる。
(H25 共通 第33問 イ)
取消訴訟においては、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として取消しを求めることができず、原告がこの制限に触れる主張のみを行っている場合には、訴えが却下されることになる。
(H25 共通 第33問 ウ)
原処分の取消訴訟と原処分についての審査請求を棄却した裁決の取消訴訟とを提起することができる場合、原処分の取消訴訟においては、裁決固有の瑕疵を主張することもできる。
(H26 共通 第31問 ウ)
処分の根拠法令が裁決主義を採用している場合には、裁決の取消しの訴えにおいて原処分の違法を主張することができる。
(R2 予備 第19問 ア)
原処分の取消訴訟と原処分についての審査請求を棄却した裁決の取消訴訟とを提起することができる場合、裁決の取消訴訟においては、原処分の違法を理由として取消しを求めることができない。
(R6 予備 第20問 ア)
処分の取消訴訟と当該処分についての審査請求を棄却した裁決の取消訴訟とを提起することができる場合であっても、原告は、当該裁決の取消訴訟において、当該処分の違法を主張することが許される。
第11条
条文
①処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。
一 処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
二 裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体
② 処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。
③ 前2項の規定により被告とすべき国若しくは公共団体又は行政庁がない場合には、取消訴訟は、当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない。
④ 第1項又は前項の規定により国又は公共団体を被告として取消訴訟を提起する場合には、訴状には、民事訴訟の例により記載すべき事項のほか、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める行政庁を記載するものとする。
一 処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁
二 裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁
⑤ 第1項又は第3項の規定により国又は公共団体を被告として取消訴訟が提起された場合には、被告は、遅滞なく、裁判所に対し、前項各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める行政庁を明らかにしなければならない。
⑥ 処分又は裁決をした行政庁は、当該処分又は裁決に係る第1項の規定による国又は公共団体を被告とする訴訟について、裁判上の一切の行為をする権限を有する。
過去問・解説
(H19 司法 第26問 ア)
行政事件訴訟法第3条第2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」は、国又は地方公共団体に属する機関がする行為でなければならない。
(H23 司法 第33問 イ)
普通地方公共団体であるA市においては、公金の支出を内容とする特定の処分をする権限が、市長から総務部長に委任されていた。問題とされる処分が総務部長Bにより既にされた事例において、Xは、A市を被告として、地方自治法第242条の2第1項第2号の規定に基づき処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起することができる。
(正答)〇
(解説)
地方自治法242条の2第11項は、「1項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法43条の規定の適用があるものとする。」と規定しており、行訴法43条は、「民衆訴訟又は機関訴訟で、処分又は裁決の取消しを求めるものについては、9条及び10条1項の規定を除き、取消訴訟に関する規定を準用する。」規定している。
そのため、本肢における住民訴訟については、取消訴訟に関する規定が準用される。
そして、取消訴訟に関する規定である行訴法11条1項1号は、処分の取消しの訴えの被告適格を有している者について、「当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体」と規定しており、本肢におけるA市がこれに当たり、被告適格を有している。
したがって、問題とされる処分が総務部長Bにより既にされた事例において、Xは、A市を被告として、地方自治法242条の2第1項2号の規定に基づき処分の取消しを求める住民訴訟を適法に提起することができる。
(H26 共通 第31問 エ)
建築基準法上の指定確認検査機関による建築確認処分の取消しの訴えにおいては、当該機関を指定した国土交通大臣又は都道府県知事の所属する国又は地方公共団体が被告となる。
(正答)✕
(解説)
行訴法11条2項は、「処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には、取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。」と規定している。
そして、本肢における建築確認をしたのは指定確認検査機関であり、「処分…をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合」に当たる。
そのため、建築確認処分の取消しの訴えにおいては、指定確認検査機関を被告として提起しなければならない。
したがって、建築基準法上の指定確認検査機関による建築確認処分の取消しの訴えにおいては、当該機関を指定した国土交通大臣又は都道府県知事の所属する国又は地方公共団体ではなく、指定確認検査機関が被告となる。
第12条
条文
① 取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
② 土地の収用、鉱業権の設定その他不動産又は特定の場所に係る処分又は裁決についての取消訴訟は、その不動産又は場所の所在地の裁判所にも、提起することができる。
③ 取消訴訟は、当該処分又は裁決に関し事案の処理に当たった下級行政機関の所在地の裁判所にも、提起することができる。
④ 国又は独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人若しくは別表に掲げる法人を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(次項において「特定管轄裁判所」という。)にも、提起することができる。
⑤ 前項の規定により特定管轄裁判所に同項の取消訴訟が提起された場合であつて、他の裁判所に事実上及び法律上同一の原因に基づいてされた処分又は裁決に係る抗告訴訟が係属している場合においては、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所又は所在地、尋問を受けるべき証人の住所、争点又は証拠の共通性その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は第1項から第3項までに定める裁判所に移送することができる。
過去問・解説
(H18 司法 第35問 ウ)
税務署長の行った所得税の更正処分の取消訴訟が、東京地方裁判所及び当該税務署長の所在地を管轄する地方裁判所以外の地方裁判所の管轄に属する場合は、合意管轄又は応訴管轄による場合以外にもある。
(正答)〇
(解説)
行訴法12条1項は、取消訴訟の管轄について、「取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定している。
そして、所得税の更正処分の取消訴訟といった国が被告となる場合においては、普通裁判籍は東京都になると解されている。
そのため、東京地方裁判所に常に管轄があることとなる。
また、同条4項は、「国…を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所…にも、提起することができる。」と規定している。
そのため、本肢においては、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも管轄が認められる。
したがって、税務署長の行った所得税の更正処分の取消訴訟が、東京地方裁判所及び当該税務署長の所在地を管轄する地方裁判所以外の地方裁判所の管轄に属する場合は、合意管轄又は応訴管轄による場合以外にもある。
第13条
条文
取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下「関連請求」という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。ただし、取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、この限りでない。
一 当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求
二 当該処分とともに一個の手続を構成する他の処分の取消しの請求
三 当該処分に係る裁決の取消しの請求
四 当該裁決に係る処分の取消しの請求
五 当該処分又は裁決の取消しを求める他の請求
六 その他当該処分又は裁決の取消しの請求と関連する請求
過去問・解説
(H26 共通 第31問 イ)
処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合、これらの訴えは併合して提起しなければならない。
(正答)✕
(解説)
行訴法13条は、柱書本文において、「取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下『関連請求』という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、…関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、…その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。」と規定し、3号において、「当該処分に係る裁決の取消しの請求」を掲げている。
そのため、同号は、処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えについて、それぞれ別の裁判所に訴えを提起できることを前提としている。
したがって、処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合、これらの訴えを併合して提起する必要はない。
第14条
条文
① 取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
② 取消訴訟は、処分又は裁決の日から1年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
③ 処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤つて審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があったときは、処分又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をした者については、前2項の規定にかかわらず、これに対する裁決があったことを知った日から6箇月を経過したとき又は当該裁決の日から1年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
過去問・解説
(H20 司法 第35問 イ)
取消訴訟は、処分や裁決があったことを知った日から6箇月を経過したとき、又は処分や裁決の日から1年を経過したときは、どんな理由があるにせよ、提起することができないことになっている。
(H22 司法 第32問 ア)
A県は、同県内にダムの建設を計画し、事業を開始したが、建設予定地内の土地の買収に応じない地権者Bらがいたため、土地収用法に基づく土地の収用を行うこととし、国土交通大臣に対して同法に基づく事業の認定申請をしたところ、同大臣は、事業認定の要件を満たすとして同事業の認定(以下「本件事業認定」という。)をした。
建設予定地内の地権者は、本件事業認定の名あて人ではないから、出訴期間の制限はなく、本件事業認定の日から1年を経過した後でも、適法に本件事業認定の取消訴訟を提起することができる。
(H23 司法 第31問 イ)
処分につき審査請求をすることができる場合において、適法な審査請求があったときは、処分の取消しの訴えは、その審査請求をした者については、これに対する裁決があったことを知った日から6か月を経過するまでは、処分があったことを知った日から6か月を経過した後であっても、適法に提起することができる。
(正答)〇
(解説)
行訴法14条1項本文は、「取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6箇月を経過したときは、提起することができない。」と規定している。
そのため、処分があったことを知った日から6か月を経過しても、裁決があったことを知った日から6か月を経過するまでは、処分の取消しの訴えを、適法に提起することができる。
したがって、処分につき審査請求をすることができる場合において、適法な審査請求があったときは、処分の取消しの訴えは、その審査請求をした者については、これに対する裁決があったことを知った日から6か月を経過するまでは、処分があったことを知った日から6か月を経過した後であっても、適法に提起することができる。
第15条
条文
① 取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって、被告を変更することを許すことができる。
② 前項の決定は、書面でするものとし、その正本を新たな被告に送達しなければならない。
③ 第1項の決定があったときは、出訴期間の遵守については、新たな被告に対する訴えは、最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなす。
④ 第1項の決定があったときは、従前の被告に対しては、訴えの取下げがあつたものとみなす。
⑤ 第1項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
⑥ 第1項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
⑦ 上訴審において第1項の決定をしたときは、裁判所は、その訴訟を管轄裁判所に移送しなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第32問 イ)
次の事例における原告が訴訟行為をするとした場合、次の【乙群】に掲げるAからDまでの手続のうち、どれが最も適切か。
処分の取消しの訴えにおいて、処分の際の教示の不備により処分をした行政庁の所属する公共団体についての理解に誤りがあったため、原告が、被告を改めようとする事例
【乙群】
A.行政事件訴訟法第15条第1項の規定に基づく被告の変更
B.行政事件訴訟法第19条第1項の規定に基づく請求の追加的併合
C.行政事件訴訟法第21条第1項の規定に基づく処分又は裁決に係る事務の帰属する国等に対する他の請求への訴えの変更
D.民事訴訟法第143条の規定の例による訴えの変更(行政事件訴訟法第7条及び第19条第2項)
(正答)A
(解説)
行政事件訴訟法15条1項は、「取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって、被告を変更することを許すことができる。」と規定している。
そして、本肢は原告が、被告を改めようとする事例であるため、訴え自体の変更であるB~Dより、同条同項に基づくAの手続が最も適切である。
したがって、処分の取消しの訴えにおいて、処分の際の教示の不備により処分をした行政庁の所属する公共団体についての理解に誤りがあったため、原告が、被告を改めようとする事例においては、A.行政事件訴訟法第15条第1項の規定に基づく被告の変更が最も適切である。
(R4 予備 第20問 ア)
取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもって被告の変更を許すことができ、この決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第17条
条文
① 数人は、その数人の請求又はその数人に対する請求が処分又は裁決の取消しの請求と関連請求とである場合に限り、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。
② 前項の場合には、前条第2項の規定を準用する。
過去問・解説
(H26 司法 第32問 ア)
数名の者が共同訴訟人として処分の取消しの訴えを適法に提起することができるのは、訴訟の目的がそれらの者について合一にのみ確定すべき場合に限られる。
(正答)✕
(解説)
行訴法17条1項は、「数人は、その数人の請求又はその数人に対する請求が処分又は裁決の取消しの請求と関連請求とである場合に限り、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。」と規定している。
そして、同法13条各号は、「関連請求」に当たる請求について列挙しているものの、訴訟の目的がそれらの者について合一にのみ確定すべき場合における請求は掲げられていない。
したがって、数名の者が共同訴訟人として処分の取消しの訴えを適法に提起することができるのは、訴訟の目的がそれらの者について合一にのみ確定すべき場合ではなく、処分又は裁決の取消しの請求と関連請求である場合に限られる。
(H26 司法 第32問 イ)
処分の取消しの訴えを提起するに当たっては、同一の被告に対する民事訴訟であれば、これを適法に併合して提起することができる。
第18条
条文
第三者は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、その訴訟の当事者の一方を被告として、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第16条第2項の規定を準用する。
過去問・解説
(H18 司法 第35問 イ)
ある処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟は民事訴訟であるから、当該処分の取消訴訟に追加的に併合することはできない。
第19条
条文
① 原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。この場合において、当該取消訴訟が高等裁判所に係属しているときは、第16条第2項の規定を準用する。
② 前項の規定は、取消訴訟について民事訴訟法(平成8年法律第109号)第143条の規定の例によることを妨げない。
過去問・解説
(H22 司法 第32問 ウ)
次の事例における原告が訴訟行為をするとした場合、次の【乙群】に掲げるAからDまでの手続のうち、どれが最も適切か。
裁決の取消しの訴えにおいて、裁決の通知を受けた日から6か月を経過した後に、原告が、原処分についても取消しを求めようとする事例
【乙群】
A.行政事件訴訟法第15条第1項の規定に基づく被告の変更
B.行政事件訴訟法第19条第1項の規定に基づく請求の追加的併合
C.行政事件訴訟法第21条第1項の規定に基づく処分又は裁決に係る事務の帰属する国等に対する他の請求への訴えの変更
D.民事訴訟法第143条の規定の例による訴えの変更(行政事件訴訟法第7条及び第19条第2項)
(正答)B
(解説)
行訴法19条前段は、「原告は、取消訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、関連請求に係る訴えをこれに併合して提起することができる。」としている。
そして、同法13条各号は、「関連請求」に当たる請求について列挙しており、ある裁決に係る原処分の取消しの訴えは、「当該裁決に係る処分の取消しの請求」(同条4号)に当たる。そのため、本肢における原告は、請求の追加的変更をすることができる。
また、原告は、裁決の取消しの訴えに加えて原処分についても取消しを求めようとしていることから、行訴法19条1項の規定に基づく請求の追加的併合は適切である。
したがって、裁決の取消しの訴えにおいて、裁決の通知を受けた日から6か月を経過した後に、原告が、原処分についても取消しを求めようとする事例においては、行訴法19条1項の規定に基づく請求の追加的併合である、Bが適切である。
(H26 司法 第32問 ウ)
処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えを適法に提起した後、原告は、法令に特別の定めがある場合を除き、口頭弁論の終結に至るまで、当該処分の取消しの訴えをこれに併合して適法に提起することができる。
(R6 予備 第20問 イ)
処分についての審査請求を棄却した裁決の取消訴訟を提起した後であっても、原告は、法令に特別の定めがある場合を除き、当該訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、当該訴訟に併合して、当該処分の取消訴訟を適法に提起することができる。
第21条
条文
① 裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、決定をもって、訴えの変更を許すことができる。
② 前項の決定には、第15条第2項の規定を準用する。
③ 裁判所は、第1項の規定により訴えの変更を許す決定をするには、あらかじめ、当事者及び損害賠償その他の請求に係る訴えの被告の意見をきかなければならない。
④ 訴えの変更を許す決定に対しては、即時抗告をすることができる。
⑤ 訴えの変更を許さない決定に対しては、不服を申し立てることができない。
過去問・解説
(R4 予備 第20問 ウ)
指定確認検査機関による建築確認の取消しを求める訴えを提起した後、当該建築確認に係る建築物について完了検査が終了した場合に、上記訴えを、当該建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体に対する損害賠償を求める訴えに変更することは、許されない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平17.6.24)は、本肢と同種の事案において、「本件会社は本件確認を抗告人の長である特定行政庁の監督下において行ったものであること,その他本件の事情の下においては,本件確認の取消請求を抗告人に対する損害賠償請求に変更することが相当であると認めることができる。」としている。
したがって、指定確認検査機関による建築確認の取消しを求める訴えを提起した後、当該建築確認に係る建築物について完了検査が終了した場合に、上記訴えを、当該建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体に対する損害賠償を求める訴えに変更することも、許される。
第22条
条文
① 裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもって、その第三者を訴訟に参加させることができる。
② 裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者及び第三者の意見をきかなければならない。
③ 第1項の申立てをした第三者は、その申立てを却下する決定に対して即時抗告をすることができる。
④ 第1項の規定により訴訟に参加した第三者については、民事訴訟法第40条第1項から第3項までの規定を準用する。
⑤ 第1項の規定により第三者が参加の申立てをした場合には、民事訴訟法第45条第3項及び第4項の規定を準用する。
過去問・解説
(H20 司法 第35問 ウ)
教授:周辺住民からの建築確認の取消訴訟において、もしも、これが取り消されることになると、建築確認を受けたマンション建築業者は、当該訴訟の当事者にならないままに、建築確認の効力が失われて、不測の損害を被ることになりかねないが、このような業者の保護は、どのように図られることになるのかな。
学生:マンション建築業者は、訴訟の結果により権利を害される場合は、裁判所に申し立てて当該訴訟に参加することができますし、裁判所も、職権で当該業者を当該訴訟に参加させることができます。
(H21 司法 第33問 エ)
取消訴訟においては、請求の認諾や放棄はできず、和解や訴えの取下げもできないと解されている。
(正答)✕
(解説)
行訴法7条は、「行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。」と規定しているところ、請求の認諾、請求の放棄、和解及び訴えの取下げについては、行訴法に規定がないため、民事訴訟法の例による。
もっとも、和解や請求の認諾については、法律による行政の原理からすれば、行政主体が処分は適法であると考えているのにも関わらず、長期間の訴訟は煩わしいとの理由から、取消訴訟において和解や請求の認諾をすることは許されないと解されている。
これに対して、訴えの取下げや請求の放棄については、行政行為の効力に影響を及ぼさないため、取消訴訟においてすることができると解されている。
したがって、取消訴訟においては、請求の認諾や和解はできないものの、請求の放棄や訴えの取下げはできると解されている。
第23条
条文
① 裁判所は、処分又は裁決をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることが必要であると認めるときは、当事者若しくはその行政庁の申立てにより又は職権で、決定をもって、その行政庁を訴訟に参加させることができる。
② 裁判所は、前項の決定をするには、あらかじめ、当事者及び当該行政庁の意見をきかなければならない。
③ 第1項の規定により訴訟に参加した行政庁については、民事訴訟法第45条第1項及び第2項の規定を準用する。
過去問・解説
(H22 司法 第33問 イ)
A県は、同県内にダムの建設を計画し、事業を開始したが、建設予定地内の土地の買収に応じない地権者Bらがいたため、土地収用法に基づく土地の収用を行うこととし、国土交通大臣に対して同法に基づく事業の認定申請をしたところ、同大臣は、事業認定の要件を満たすとして同事業の認定(以下「本件事業認定」という。)をした。
A県の申立てがあれば、裁判所は、同県を訴訟に参加させることができるが、職権で同県を訴訟に参加させることはできない。
(H25 共通 第32問 イ)
マンションの新築の計画に関し建築基準法上の指定確認検査機関Aがした建築確認(以下「本件確認」という。)につき、同マンションの敷地の周辺に居住する者がAを被告としてその取消しを求めて訴訟(以下「本件訴訟」という。)を提起した。本件訴訟において、いわゆる違法性の承継を肯定した最高裁判所平成21年12月17日第一小法廷判決(民集63巻10号2631頁)の判示したところに従い、本件確認に先立って東京都の特別区の区長Bが条例の規定に基づいてした接道義務についての安全認定(以下「先行処分」という。)の違法を主張することができるとされる場合の本件訴訟の審理等に関する次の記述について、正誤を答えよ。
本件訴訟において、被告であるAは、先行処分の適法性の審理のために必要があると考えた場合は、裁判所に対し、先行処分をした行政庁である区長Bを本件訴訟に参加させることを求める申立てを、適法にすることができる。
(R1 予備 第20問 ウ)
処分をした行政庁以外の行政庁は、当事者の申立て又は職権による裁判所の決定があった場合に訴訟に参加することはできるが、自ら訴訟参加の申立てをすることはできない。
第23条の2
条文
① 裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
一 被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、処分又は裁決の内容、処分又は裁決の根拠となる法令の条項、処分又は裁決の原因となる事実その他処分又は裁決の理由を明らかにする資料(次項に規定する審査請求に係る事件の記録を除く。)であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
二 前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する資料であって当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。
② 裁判所は、処分についての審査請求に対する裁決を経た後に取消訴訟の提起があつたときは、次に掲げる処分をすることができる。
一 被告である国若しくは公共団体に所属する行政庁又は被告である行政庁に対し、当該審査請求に係る事件の記録であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の提出を求めること。
二 前号に規定する行政庁以外の行政庁に対し、同号に規定する事件の記録であつて当該行政庁が保有するものの全部又は一部の送付を嘱託すること。
過去問・解説
(H21 司法 第33問 イ)
行政事件訴訟法は、釈明についての特則を設ける。
第24条
条文
裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない。
過去問・解説
(H21 司法 第33問 イ)
行政事件訴訟法は、釈明についての特則を設ける。
(H24 司法 第33問 ウ)
処分の取消しの訴えにおいて、裁判所が職権ですることができる証拠調べの対象は、訴訟要件に関するものに限られない。
(R2 予備 第19問 ウ)
取消訴訟においては職権証拠調べが認められているから、裁判所は、必要があると認めるときは、当事者の申立てを待たずに証人尋問を行うことができ、尋問の結果について当事者の意見をきく必要はない。
(R6 予備 第20問 エ)
裁判所は、取消訴訟において、必要があると認めるときは、当事者の申出を待たずに証拠調べをすることができるが、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない。
第25条
条文
① 処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。
② 処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。
③ 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
④ 執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。
⑤ 第2項の決定は、疎明に基づいてする。
⑥ 第2項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。
⑦ 第2項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
⑧ 第2項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。
過去問・解説
(H22 司法 第35問 ウ)
免許を受けることが法律上必要とされる職業に就いている者に対して、その法律の規定に基づき一定期間の業務の停止の処分がされた事案において、処分を受けた者がその後の間もない時期に行政事件訴訟法(以下「法」という。)第25条の規定に基づく執行停止の申立てをしようとするときに関する記述として、次の記述は正しいか。
上記の処分の取消しを求める本案の終局判決の言渡しよりも前に処分の期間が経過することが確実であるならば、法第25条第2項の「重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき」との要件が当然に満たされる。
(H23 予備 第21問 A)
A、Bに当てはまる語句を、以下の語群の中から選びなさい。
営業停止等の不利益処分がなされている場合に、仮の救済手続として考えられるのは[A]であるが、[B]の提起が必要である。
【語群】
ア.仮の差止め イ.処分の取消しの訴え
ウ.重大な損害を避けるため緊急の必要があるとき
エ.償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとき
オ.差止めの訴え カ.執行停止 キ.義務付けの訴え
ク.仮の義務付け
(H23 司法 第35問 ア)
執行停止の申立てについては、裁判所は、一定の場合には、相手方の意見を聴かないで、執行停止を命ずる決定をすることができる。
(正答)✕
(解説)
行訴法25条は、2項において、「処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下『執行停止』という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。」と規定し、6項において、「第2項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。」と規定している。
したがって、執行停止の申立てについては、裁判所は、相手方の意見を聴かないで、執行停止を命ずる決定をすることができない。
(H24 司法 第36問 ア)
執行停止の決定をする場合においては、本案の訴えが提起されていなければならないが、当該訴えが適法であるか否かは問題とならない。
(H24 司法 第36問 イ)
執行停止は、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、することができる。
(H24 司法 第36問 ウ)
処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。
(H25 共通 第36問 ウ)
処分の取消しの訴えの提起があった場合において、当該処分、当該処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、仮に行政庁がこれらの停止その他の適切な措置をすべき旨を命ずることができる。
(正答)✕
(解説)
行訴法25条2項本文は、「処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下『執行停止』という。)をすることができる。」と規定している。
そのため、同項本文は、その他の適切な措置をすべき旨を命ずることができるとはしていない。
したがって、処分の取消しの訴えの提起があった場合において、当該処分、当該処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときであっても、裁判所は、申立てにより、仮に行政庁がこれらの停止その他の適切な措置をすべき旨を命ずることはできない。
(H25 共通 第36問 エ)
裁判所は、仮の差止めを命ずる決定をする場合は、常にあらかじめ相手方の意見を聴かなければならない。
(H28 予備 第23問 ア)
自己が受けた行政処分に不服がある者は、当該処分の執行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、当該処分の取消訴訟を提起することなく、裁判所に対し、当該処分の執行停止決定をするよう申し立てることができる。
(H28 予備 第23問 イ)
執行停止決定がされるための要件の1つとして、当該処分、処分の執行又は手続の続行により重大な損害を生ずるおそれがあることが必要であるが、その有無を判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに当該処分の内容及び性質をも勘案するものとされている。
(正答)〇
(解説)
行訴法25条2項本文は、「処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、…執行停止…をすることができる。」と規定している。
したがって、執行停止決定がされるための要件の1つとして、当該処分、処分の執行又は手続の続行により重大な損害を生ずるおそれがあることが必要である。
そして、同条3項は、「裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。」と規定している。
したがって、重大な損害の有無を判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに当該処分の内容及び性質をも勘案するものとされている。
(H28 予備 第23問 ウ)
執行停止決定は、原則として口頭弁論を経てする必要があり、緊急の必要がある場合に限り、口頭弁論を経ないですることができる。
(R1 予備 第22問 エ)
執行停止の申立ての相手方は、申立てを認容する決定に対して即時抗告をすることができるが、当該即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しないから、相手方が、即時抗告後、その決定が取り消される前に、処分の執行を継続することは許されない。
(R6 予備 第22問 ア)
処分の執行停止の申立人は、当該執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのないことを疎明する責任を負う。
(R6 予備 第22問 イ)
処分の執行停止の決定は、口頭弁論を経ないでしなければならない。
第26条
条文
① 執行停止の決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもって、執行停止の決定を取り消すことができる。
② 前項の申立てに対する決定及びこれに対する不服については、前条第5項から第8項までの規定を準用する。
過去問・解説
(H25 司法 第36問 イ)
処分の効力の全部を停止する旨の決定が確定した場合において、相手方は、本案の判決が確定するまでは、事情のいかんにかかわらず、当該決定の取消しを求める申立てを適法にすることができない。
(H28 予備 第23問 エ)
執行停止決定が確定した後に、事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、当該決定を取り消すことができる。
(R1 予備 第22問 イ)
裁判所は、本案である処分の取消訴訟の係属が、執行停止の決定の確定後、訴えの取下げにより消滅したときは、相手方の申立て又は職権により、決定をもって、執行停止の決定を取り消すことができる。
第27条
条文
① 第25条第2項の申立てがあった場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があった後においても、同様とする。
② 前項の異議には、理由を附さなければならない。
③ 前項の異議の理由においては、内閣総理大臣は、処分の効力を存続し、処分を執行し、又は手続を続行しなければ、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情を示すものとする。
④ 第1項の異議があったときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。
⑤ 第1項後段の異議は、執行停止の決定をした裁判所に対して述べなければならない。ただし、その決定に対する抗告が抗告裁判所に係属しているときは、抗告裁判所に対して述べなければならない。
⑥ 内閣総理大臣は、やむをえない場合でなければ、第1項の異議を述べてはならず、また、異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない。
第28条
条文
執行停止又はその決定の取消しの申立ての管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。
過去問・解説
(H26 司法 第35問 ア)
処分の取消しの訴えの提起があった場合において、当該処分についての執行停止の申立ての管轄裁判所は、当該本案の係属する裁判所である。
第30条
条文
行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。
過去問・解説
(H18 司法 第29問 ア)
法律の条文において、行政処分をすることが「できる」と規定されている場合、当該条文上の要件が満たされているときに、当該処分をするかしないかの裁量を行政庁に認める趣旨であるとは限らない。
(H18 司法 第29問 イ)
行政庁が裁量権を行使して行った処分については、当不当の問題が生じるだけであるから、裁判所の審査が及ぶことはない。
(H18 司法 第29問 エ)
法律の条文上、行政庁において、数種類の不利益処分をすることができると規定されている場合、特定の者に対しどの処分を行うかについて、行政庁に裁量が認められることがある。
(R3 予備 第16問 ウ)
行政庁の裁量処分の取消しについて、行政事件訴訟法第30条は、「取り消すことができる」と規定しており、これは、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったときでも、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含むものである。
(正答)✕
(解説)
行訴法30条は、「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があつた場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」と規定している。
そして、同条は、裁判所の審査が及ぶことを明らかにするという趣旨で定められたと解されており、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含んでいない。
したがって、行政庁の裁量処分の取消しについて、行政事件訴訟法30条は、「取り消すことができる」と規定しているものの、これは、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったときでも、公の利益に配慮して当該処分を取り消すか否かの裁量を裁判所に認める趣旨を含むものではない。
第31条
条文
① 取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。
② 裁判所は、相当と認めるときは、終局判決前に、判決をもって、処分又は裁決が違法であることを宣言することができる。
③ 終局判決に事実及び理由を記載するには、前項の判決を引用することができる。
過去問・解説
(H21 司法 第32問 エ)
処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告が受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮して、請求を棄却する事情判決の制度は、いわゆる定数訴訟等に関する最高裁判所の判例によって、初めて認められた制度である。
(正答)✕
(解説)
行訴法31条1項は、「取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。」として、事情判決について規定している。
本規定は、いわゆる定数訴訟等に関する最高裁判所の判例(最大判昭51.4.14)の時点において、既に定められていた。
したがって、事情判決の制度は、上記判例によって、初めて認められた制度ではない。
(H22 司法 第33問 エ)
A県は、同県内にダムの建設を計画し、事業を開始したが、建設予定地内の土地の買収に応じない地権者Bらがいたため、土地収用法に基づく土地の収用を行うこととし、国土交通大臣に対して同法に基づく事業の認定申請をしたところ、同大臣は、事業認定の要件を満たすとして同事業の認定(以下「本件事業認定」という。)をした。
裁判所は、本件事業認定が違法であっても、本件事業認定を取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、本件事業認定を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却することができ、この場合には、当該判決の主文において、本件事業認定が違法であることを宣言しなければならない。
(R5 予備 第20問 ウ)
処分の取消しの訴えについて、裁判所が、当該処分は違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮した上、当該処分を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認め、請求を棄却する判決をし、当該判決が確定したときは、当該処分が違法であるとの当該判決における判断について既判力は生じない。
(正答)✕
(解説)
行訴法31条1項前段は、「取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。」として、事情判決について規定している。
したがって、本肢における処分が違法であるという判断には、既判力が生じる。
よって、処分の取消しの訴えについて、裁判所が事情判決をし、当該判決が確定したときは、当該処分が違法であるとの当該判決における判断について既判力が生じる。
(R6 予備 第21問 ウ)
行政事件訴訟法においては、裁判所は、処分の無効確認を求める訴えにおいて、当該処分が違法かつ無効なものであるものの、これを無効とすることにより公の利益に著しい障害を生ずる場合であって、処分を無効とすることが公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却することができる旨条文上規定されている。
(正答)✕
(解説)
行訴法31条1項前段は、「取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。」と規定している。
もっとも、同法38条は、無効等確認の訴えに同法31条1項前段を準用していない。
したがって、行政事件訴訟法においては、裁判所は、処分の無効確認を求める訴えにおいて、当該処分が違法かつ無効なものであるものの、これを無効とすることにより公の利益に著しい障害を生ずる場合であって、処分を無効とすることが公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却することができる旨条文上規定されていない。
第32条
条文
① 処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する。
② 前項の規定は、執行停止の決定又はこれを取り消す決定に準用する。
過去問・解説
(H21 司法 第32問 ア)
処分の取消判決には、行政事件訴訟法に基づき認められた効力として、第三者効及び拘束力がある。
(H25 共通 第32問 ウ)
マンションの新築の計画に関し建築基準法上の指定確認検査機関Aがした建築確認(以下「本件確認」という。)につき、同マンションの敷地の周辺に居住する者がAを被告としてその取消しを求めて訴訟(以下「本件訴訟」という。)を提起した。本件訴訟において、いわゆる違法性の承継を肯定した最高裁判所平成21年12月17日第一小法廷判決(民集63巻10号2631頁)の判示したところに従い、本件確認に先立って東京都の特別区の区長Bが条例の規定に基づいてした接道義務についての安全認定(以下「先行処分」という。)の違法を主張することができるとされる場合の本件訴訟の審理等に関する次の記述について、正誤を答えよ。
本件訴訟において、本件確認を取り消す判決が確定した場合には、当該判決は、本件確認をしたAのみを拘束する。
(H25 共通 第36問 ア)
処分の効力の全部を停止する旨の決定が確定した場合において、当該決定は、第三者に対しても効力を有する。
(R1 予備 第20問 イ)
処分を取り消す判決は第三者に対しても効力を有することから、訴訟の結果により権利を害される第三者は、自ら訴訟参加の申立てをすることができる。
第33条
条文
① 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。
② 申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。
③ 前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。
④ 第1項の規定は、執行停止の決定に準用する。
過去問・解説
(H19 司法 第36問 ア)
処分をした理由を示すことが要求されている処分が、取消訴訟の判決により、十分な理由が示されていないことだけを理由として取り消されたとき、処分をした行政庁は、取消判決の拘束力により、判決で不十分であると指摘された理由の示し方を改めて、同一内容の処分をしなければならない。
(H21 司法 第32問 ア)
処分の取消判決には、行政事件訴訟法に基づき認められた効力として、第三者効及び拘束力がある。
(H21 司法 第32問 ウ)
申請者に欠格事由Aがあるとしてされた申請を拒否する処分が判決によって取り消された場合であっても、処分後に、申請者が欠格事由Aに該当することになったときは、改めて申請を拒否する処分をすることが許される。
(正答)〇
(解説)
行訴法33条1項は、「処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。」として、取消判決の拘束力について規定している。
ここでいう拘束力には、行政庁が同一の状況で同一の理由によって同一の処分はしてはならないという、いわゆる反復禁止効を含むと解されている。
したがって、申請者に欠格事由Aがあるとしてされた申請を拒否する処分が判決によって取り消された場合であっても、処分後に、申請者が欠格事由Aに該当することになったという異なる状況に基づいて処分をした場合には、改めて申請を拒否する処分をすることが許される。
(H24 司法 第32問 ア)
処分の取消判決が確定した場合、処分行政庁は、判決の拘束力により当該処分を取り消さなければならない。
(H24 司法 第32問 ウ)
課税処分を取り消す判決が確定した場合、当該課税処分を前提とする滞納処分としての差押処分がそのまま維持されることはない。
(R1 予備 第20問 ア)
申請を却下し又は棄却した処分が判決により取り消された場合には、その処分をした行政庁は、改めて当該申請に対する処分をしなければならないが、必ずしも当該判決の趣旨に従った処分をする必要はない。
(R5 予備 第20問 イ)
処分を取り消す判決が確定した場合、その拘束力により、当該処分をした行政庁は、その事件につき当該判決の主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断に従って行動すべき義務を負う。
第34条
条文
① 処分又は裁決を取り消す判決により権利を害された第三者で、自己の責めに帰することができない理由により訴訟に参加することができなかったため判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防御の方法を提出することができなかったものは、これを理由として、確定の終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服の申立てをすることができる。
② 前項の訴えは、確定判決を知った日から30日以内に提起しなければならない。
③ 前項の期間は、不変期間とする。
④ 第1項の訴えは、判決が確定した日から1年を経過したときは、提起することができない。
過去問・解説
(R1 予備 第20問 エ)
処分を取り消す判決により権利を害された第三者は、自己の責めに帰することができない理由により訴訟に参加することができなかったため判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防御の方法を提出することができなかったことを理由として、再審の訴えを提起することができる。